広瀬すずがスカウト 鈴鹿央士「チョコに釣られて」

日経エンタテインメント!

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映画『蜜蜂と遠雷』で、松岡茉優、松坂桃李、森崎ウィンと並んで主要キャストに抜てきされた19歳の新人が鈴鹿央士だ。そのデビューのきっかけを作ったのは、広瀬すず。映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』のロケで岡山を訪れた時にエキストラの1人だった鈴鹿に注目し、マネジャーにスカウトを持ちかけた。

2000年1月11日生まれ、岡山県出身。ドラマ『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系)にも出演。11月22日公開の映画『決算!忠臣蔵』では、赤穂浪士の1人を演じた。身長178cm、趣味は音楽鑑賞(写真:中川容邦)

「高校2年の11月だったので、3年ほど前ですね。『芸能人を見に行こう』という感覚でエキストラに参加したら、場所を移動する時にすずさんと目が合って、『あ、目が合った!』とミーハーな気持ちで通り過ぎたんです(笑)。そうしたらその後、マネジャーさんに『芸能界に興味ありますか?』と名刺をいただいて。それまで考えもしなかったし、声を掛けられたのも初めてだったので、『これがスカウトか』とビックリでした。

家族に話したら、『みんなにあるチャンスじゃないから、頑張ってみたら?』とお母さんが背中を押してくれて、事務所の見学に行ってみたんです。その日がちょうど2月14日で、すずさんがわざわざ来てくれて、チョコをもらったり、サイン入りのグッズをいただいたり…。それに釣られたところもあるかもしれないです(笑)」

2018年3月、高校卒業とともに上京。大学に通いながら演技ワークショップやオーディションを受けた。そして最初に決まった仕事が『蜜蜂と遠雷』。謎の天才少年ピアニスト・風間塵を演じた。

「初めて受けた映画のオーディションでは、会場への入り方も分からなかったので、一緒に受けていた方に『どうやって入ったらいいんですか?』と聞いたんです。そうしたら『失礼します、でいいと思います』と言われて、その通りに入ったら、2番目の人は『失礼します、おはようございます!』とハキハキ言って、僕が聞いた人も同じように入ってきたので、『うわ、やられた!』と思いました(笑)。

少し慣れて、3回目に受けたオーディションが『蜜蜂と遠雷』でした。この時は、初めて何日にもわたってオーディションがあって、同じシーンを何度も演じたり、監督たちと話し合いをしたり。思い入れも強かったので、事務所の社長さんから『決まりました』と電話がかかってきた時はうれしかったです。大学にいたので『よし!』と控えめに拳を握りました」

人生を注ぎ込んで演じたい

「そこからピアノレッスンが始まったんですけど、初心者なので、電子ピアノを借りて家でも練習しました。先生に『ピアノの前に座っている時間は、見ている人に分かる』と言われたので、ぼーっとする時もピアノの前に座って鍵盤を眺めていましたね。なるべく自分で弾けるように、ピアノと生活しながら、撮影に臨みました。

最初のカットは、塵がインタビューを受ける場面。インタビュアーのブルゾンちえみさんが同じ岡山出身の方で、本番前に地元の言葉で話しかけてくれて。アドリブっぽく答えるシーンでしたが、おかげでリラックスして臨めました」

その頃、『メンズノンノ』のオーディションでグランプリに輝き、専属モデルに。『蜜蜂と遠雷』以降も出演作は続いており、9月には、NHK朝ドラ『なつぞら』で、広瀬すずとの初共演も果たした。

「感慨深かったし、『早いなあ』と思いました。スカウトから3年もたってない時だったので。すずさんは、心配だったらしいんですよ。この世界に入ることで、僕の人生が変わるから。でも『蜜蜂と遠雷』を見て喜んでもらえたので良かったですし、僕もデビューして良かったと今は思っています。

今後は俳優とモデル、両方をやっていきたいです。俳優として憧れているのは池松壮亮さん。池松さんは人生をかけて演じる方なので、僕も人生を注ぎ込んで、1つ1つの役を全力で演じていきます」

(ライター 泊貴洋)

[日経エンタテインメント! 2019年12月号の記事を再構成]

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