予約の半分は新規客 ポルシェ初EVはテスラを超えるか

既に3万台を受注し、半分は新規客

小沢:ちなみにどれくらい売れることを予想してますか?

ビッシェ:現状でも受注は約3万台以上あり、予約金を1台2500ユーロいただいています。

小沢:すごい。でも、テスラはミッドサイズセダンのモデルSとモデルXを合わせて年間10万台近く売っています。それを考えると控えめではないでしょうか?

ビッシェ:大丈夫です。パナメーラほどの販売台数で十分ですし、社長は以前「需要より1台少ないのが理想だ」と言っていましたから。

小沢:やみくもに台数は追わないということですね。ちなみに現在予約しているのはどういうお客様なんでしょうか?

ビッシェ:大体50%以上がポルシェ以外のユーザーです。

小沢:ええ? それは意外。ポルシェの優良顧客がタイカンを買うんだと思っていました。もしかするとアーリーアダプターでテスラを買うような人も半分ぐらいいるのではないですか?

ビッシェ:さあ、わかりません。ただみなさん、本物のクルマが欲しいんじゃないでしょうか。

小沢:実際に開発で大変だったのはどこですか。走行パフォーマンス? それとも充電?

ビッシェ:充電は難しいです。理由はさまざまありますが、欧州、中国、米国、さらに日本とそれぞれ充電規格が違い、サプライヤーも異なるので、少なくとも10の規格が必要です。我々は世界の充電システムに対応しなければいけないし、互換性があるか確認しながら進めなければいけない。いかにEVにふさわしい環境を作れるかはポルシェにとってのチャレンジだと思います。

小沢:ちなみにいつかピュアスポーツ「911」はEV化するのでしょうか?

ビッシェ:もちろん2シーターEVが将来どうなるかのスタディーはしています。ただ、内燃機関のみを積んだ911は最後まで残るでしょう。911の電動化は最後になると思っています。

小沢氏(左)とタイカン開発エンジニアのOtmar Bitscher(オットマー・ビッシェ)氏。2012年ポルシェ入社し、充電・電力システムを担当している
小沢コージ
自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は「ベストカー」「時計Begin」「MonoMax」「夕刊フジ」「週刊プレイボーイ」、不定期で「carview!」「VividCar」などに寄稿。著書に「クルマ界のすごい12人」(新潮新書)「車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本」(宝島社)など。愛車はロールス・ロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

(編集協力 北川雅恵)

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