寝てもスッキリしない時に 脳の疲労とる筋弛緩法

日経Gooday

写真はイメージ (c)Wavebreak Media Ltd-123RF
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日経Gooday(グッデイ)

体の健康を保ち、いつまでもパワフルに働くには、正しい運動と食事、そして休息のバランスが取れた生活が必要だ。そこで、著名なフィジカルトレーナーである中野ジェームズ修一さんに、遠回りしない、結果の出る健康術を紹介してもらおう。今回は、体と脳を休養させる睡眠について。

アスリートにも短時間睡眠で平気な人がいるが

「忙しくなると、つい睡眠時間を削ってしまう」というビジネスパーソンは多い。「短時間睡眠でも健康でいられればいいのに」と思うかもしれないが、実際にはどうだろうか。

フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは、「アスリートから『短い睡眠時間でも大丈夫ですか?』という質問を受けることがあります。ごくまれに、短時間睡眠でも問題のない人もいますが、基本的には、十分な時間の、質の高い睡眠がパフォーマンスを発揮するためには欠かせません」と話す。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2017年)によると、20歳以上の男女で「睡眠で休養を十分に取れていない」と答えた人の割合は20.2%となっている。特に働き盛りの40代では、30.9%にも上る。多くの人が、自分の睡眠は十分ではないと感じているのだ。

「私がこれまで見てきたアスリートでは、戦術パターンが多くて複雑な種目の選手は、睡眠時間を長く取る傾向があるようです。例えば、卓球などは『100mダッシュをしながらチェスをやるようなスポーツ』と言われるように、相手の動きやボールを見定めながら、3手先、4手先を読んだプレーをします。テニスやバドミントンも同様です。そうなると、ものすごく頭を使いますから、脳を休ませるため、しっかりと睡眠を取る必要があるのでしょう」(中野さん)

アスリートの場合、肉体的な疲労に加えて、脳の疲労もパフォーマンスに大きく関わってくる。一瞬で情報を処理して判断しなければならない競技だと、試合はもちろん、練習でも脳を使うため、睡眠でしっかり回復する必要があるのだろう。

「逆に、戦術パターンが少ない競技の選手は、比較的、短い睡眠時間でも大丈夫な人が多いような気がします。陸上や水泳などですね。もちろん、個人差はありますが」(中野さん)

寝てもスッキリしないのは脳の疲労が取れていないから

睡眠中は、「体のリカバリー」と「脳のリセット」が行われている。体のリカバリーとは、日中の活動でダメージを受けた細胞を修復したりする働きだ。そのために必要な成長ホルモンは、睡眠中に分泌が高まるようになっている。一方、脳のリセットでは、日中に脳に入ってきた情報を整理したり、不必要なものを取り除いたりしている。

「最近は、スマートフォンやパソコンなどの普及で、昔に比べると膨大な量の情報と接するようになりました。そのため、しっかりと睡眠を取らなければ、脳がリセットされないようになっているかもしれません」(中野さん)

睡眠時間が短いと、体はリカバリーできても、脳のリセットができていない状態になることもあり得る。「睡眠不足でスッキリしないときに、『寝ても疲れが取れない』と言う人がいますが、体のリカバリーはできているかもしれません。脳のリセットが十分でないときでも、人間は“疲労感”を覚えるからです」(中野さん)

脳のリセットが不十分だと、物忘れをしたり、うっかりミスをしたり、考えがまとまらずアイデアが出てこなかったりする。それは、「少し前の、性能が落ちるパソコン」のようなイメージだ。ハードディスクやメモリーが十分でないため、不要なデータを圧縮したり、よく使うデータをアクセスしやすいように並べ替えておかないと、パフォーマンスが発揮できない。

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