=LOVE齊藤なぎさ 初センター「強くなるしかない」
指原莉乃が自身の理想のアイドルをプロデュースするため、代々木アニメーション学院とタッグを組んで結成した=LOVE(イコールラブ)。「声優教育」も受けている12人組のアイドルグループだ。2017年9月にCDデビュー、19年4月には初めて、東名阪で3公演の全国ツアーを開催し、ファイナルではZepp Tokyoを盛り上げた。しかし、これまで5作連続でセンターを務めてきた高松瞳が一時活動休止を発表。10月30日に発売された6thシングル『ズルいよ ズルいね』では弱冠16歳の齊藤なぎさが初のセンターに抜てきされた。彼女はセンターを任された瞬間をこう振り返る。
「日比谷野外音楽堂でのイベント(※)の終了後に、指原さんに呼ばれて、その場で伝えられたんです。もちろん、プレッシャーはあったけど、甘えんぼうで不器用な自分から、もう少し成長したいなと思っていたところだったので、強くなるしかないと決意しました。
※「=LOVE ≠ME スペシャルコンサート『24 girls』」(8月17日開催)
私は褒められることがモチベーションにつながるタイプなんです。指原さんは『かわいいし、歌もうまいね』とよく褒めてくださって(笑)。『ちゃんと見てくれているんだ』と励みになるんです。お母さんもセンターになったことをすごく喜んでくれて、毎日の食事や送り迎えなど全面的に協力してくれて、一生感謝してもしきれないくらいです」
失恋の気持ちを必死に想像
「『ズルいよ ズルいね』はミディアムナンバーで、歌詞も失恋がテーマです。最初に聴いたときは『こんな大人っぽい曲を16歳の私が歌えるのかな?』と不安でした。実際、歌うのが難しい曲ですし、アイドルの楽曲では多い全員で一緒に歌うパートが1つもなくて、個々のソロパートが目立つ構成。まずは、センターの私がしっかりしないといけないと、今も毎日お風呂の中で歌って練習しています。
女子校育ちなので、失恋した気持ちはどんななんだろうと必死に想像していますが、『柔らかい笑顔と裏腹に/細くて大人な指先に』という歌詞がすごく気に入っています。このパートは、その場面が本当に目に浮かぶからです。
振り付けも大人っぽくて表現するのが難しいんですが、個人的に気に入っているのが、『思い出よ/記憶から/消えてくれませんか?』のところ。メンバーが円を描くように立っていて、私がその真ん中にいて、メンバーが迫ってくるんですね。そのとき、目の前にいる(野口)衣織が、歌詞に入り込みすぎているのか目が怖くて(笑)。でも、おかげで私も歌の主人公の気持ちに一気に入り込めるので、衣織には感謝しています(笑)。
=LOVEの曲は、王道アイドルソングもあれば、ロックっぽいものもあります。シングルごとに曲調がガラッと変わっても、メンバーみんな声優の勉強もしているから、どの曲でもそれぞれの声がすごく際立っていることが『=LOVE』らしさって感じています。私はもともと演劇もやっていたんですが、=LOVEの曲にはそういう"演じる"ことに似たものを感じていて。イントロがかかった瞬間に気持ちを切り替えて、その曲に入り込むのがすごく楽しい。いろいろな側面を見せられるのも魅力だと思っています」
19年5月、『しゃべくり007』(日本テレビ系)に指原が出演した際に「人類でもっともかわいい女」として紹介された齊藤。熊本県出身の有田哲平に「大好きばい」とウインクしてメロメロにしてしまうシーンが放映されると、SNSなどを通じて一躍"時の人"となった。
「みなさんリハーサルとは全然違うアドリブばかりでしたが、他にも『お仕事お疲れ様です』とか、たくさん挨拶の言葉を準備していたので、楽しく乗り切れました。あの番組に出てから、アイドルに詳しくない方からも『テレビで見たよ』と声を掛けてもらうことが増えて、改めて番組の影響力を実感しましたね。もともとバラエティ番組に出るタレントさんになりたかったので、将来の夢として、よりその気持ちが高まりました。=LOVEは12月からは2回目の全国ツアーも始まりましたし、いつかは日本武道館や東京ドームでライブができるようなグループになりたいです」
(ライター 西廣智一)
[日経エンタテインメント! 2019年12月号の記事を再構成]
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