8K有機ELテレビはホームシアターを変えるか

小沼 8Kテレビはこれまで家庭用では液晶しかありませんでしたが、ついに有機ELでも登場したということですね(8Kテレビに関しては記事「画質進化の最終形 年末開始の8K放送どう楽しむ」、有機ELテレビについては記事「有機ELは液晶と何が違う? TVの進化と未来を探る」参照)。

小原 サイズは88インチ、価格は約360万円なので、普及にはまだ時間がかかるでしょうけど(笑)。

小沼 大きさも価格もかなりのものですね。クオリティーはどうなのでしょう?

小原 すばらしいですよ。有機ELは液晶テレビのようにバックライトをパネルに当てるのではなくそれ自体が光る素子を使っているので、88インチの細部まできれいで色鮮やか。これと比べると100インチクラスのプロジェクターはかすんでしまいます。もちろん導入コストなどではまだプロジェクターが優位ですが、ホームシアターの世界は大きく変わっていくかもしれない、そう感じさせる製品でした。

小沼 この流れは他社も追随するのでしょうか。

小沼 東芝やソニーは8K有機ELテレビの開発をすでに発表しています。パナソニックはまだ発表していませんが、今年液晶パネルの生産から撤退することを発表しました。来年以降、どのメーカーも軸足が有機ELに移っていくことが予想できます。

小沼 2020年の夏には東京五輪も控えています。メーカー各社もこのイベントに向けてかなり力を入れていくでしょうし、来年は8K有機ELテレビが盛り上がっていきそうですね。

オーディオもサウンドバーで楽しむ

小沼 でも、8K有機ELが登場してVの面では堅調なのに、A(オーディオ)は苦しいんですね。これはなぜでしょう?

小原 それなりの音質が手軽に楽しめるようになったということはあるかもしれません。以前は、大型テレビにAVアンプと5.1ch用のスピーカーをつなげてコンテンツを楽しんでいた人からも「最近は10万円以下のサウンドバーで十分と考えるようになった」という話はよく聞きます。

小沼 サウンドバーは、テレビの手前に置くだけで疑似的なサラウンドを楽しめる製品のことですね。たしかに本格的な5.1chを楽しもうとするとスピーカーの数も増えるし、それらをつなぐケーブルが邪魔になるという声は聞いたことがあります。

小原 その点、サウンドバーは手軽ですからね。家に必ずステレオやミニコンポがあったような時代とは違い、最近は音楽を聴くときも、テレビ用サウンドバーで再生するのが一番いい音で楽しめるという家庭も増えているみたいですし。

小沼 サウンドバーであればBluetoothで接続してスマホから音楽も流せますからね。ワイヤレスだから面倒なケーブルも必要ないし、近年はやっているミニマルなライフスタイルには合っていそうです。

小原 家族構成が変わり、モノを持たない時代に合わせて、オーディオのあり方も変わってきていますね。ただ一方で、音やハードウエアにこだわる人は以前にも増してこだわるようになっているとも感じています。最近、オーディオ関係のイベントを見てみると、1000万円や2000万円のオーディオ機器が珍しくなくなっているんですよ。

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