私も今は「アーティスト」と名乗って活動をしていますが、デザイナーとして企業勤めしていた頃は、そう名乗ることにかなり抵抗がありました。美大を出ているわけでもないですし、いわゆる現代美術っぽい作品を作っているわけでもなく、見ようによっては「お前のどこがアーティストなんだよ」と笑われかねない感じだったと思います。ただ、自分の職能を定義するのに、デザイナーでもプランナーでもなく「アーティスト」といったほうが、一番包括的で適切な気がしたのでそうしました。また、そう名乗ることで覚悟が決まりそうだと思ったから、というのもあります。

その後、実際にアーティストとして取材の依頼がきたり、業界トップクラスのギャラリーで個展を開催させていただけたり、世界的なメディアアート賞の受賞、企業やメディアからの仕事依頼と、客観的な実績が少しずつついてくるようになりました。最初はやはり背伸びが必要だと思うので、自分がなりたいものを名乗ってしまえばいいと思います。遠慮していても、時間が過ぎて年をとるだけなので。

自分の情報はできるだけ公開しておく

誰かが自分に興味をもっていたとしても、オンライン上に情報がまとまっていないと、その相手は自分へのアクションを起こしようがありません。このスピード社会、ご丁寧にオンライン上にない情報を探し回って拾い集めてくれる人はあまりいません。

大きなチャンスを逃してしまうことを防ぐためには、自分の情報はできるだけオンライン上に公開しておくことです。SNS(交流サイト)を使って情報発信をすることが一番手軽で便利ですが、ウェブサイトを立ち上げて自分の情報をまとめて見ることができる場所を用意して、問い合わせのに窓口を作っておくのが効果的です。

市原さんの公式サイト。自分についての情報がまとまってみられるようにしている

ウェブ制作の知識なんてないし、そんな難しいことは自分には無理、と思う方もいるかもしれませんが、誰でも簡単にウェブサイトを作れるサービスはたくさんあります。思ったよりも簡単に、それなりに見えるページを作ることができます。

それから、語学が得意な方は頑張って英訳すると、一気に活動がワールドワイドに広がる可能性もあります。私はまだここが弱いので、もっと注力したいと思っています。オンラインのいいところは、どこで誰が見ているかわからないということです。もし、イラストやモーショングラフィックなど、ビジュアルでわかりやすいものならば、国を問わず理解してもらいやすいという強さがあるので、さらに有利だと思います。特に海外だとInstagramの利用が盛んなので、うまく使えばいきなり国を飛び越えて仕事の依頼がやってくるかもしれません。

SNSでは恥を捨てろ

SNSに関しては、自分のジャンルとの相性が良さそうなツールを選ぶことが重要です。そして、常に流れていってしまう情報なので、どんどん発信していくことが大切です。「まだ見せられる段階じゃない」と思うかもしれませんが、ここでは恥を捨てるのが大事です。私も、まだ素人工作の段階でもバンバン出していました。恥をかくのを繰り返すうちに、度胸も徐々についていきます。

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