2019/12/12

ビジネス英語・今日の一場面

【日本人の心の中】
polish the apple「リンゴを磨く」のが得意ってどういうこと? リンゴを磨いてどうするのかしら?リンゴを使った料理が得意とか? いや、そんなことが出世に関わるとは思えないなぁ。キャシーとポールはなんだか呆れた顔しているし……。マイクっていったいどんな人なの?

polishには「磨く」という意味があるのでpolish the appleで「リンゴを磨く」という意味であっているのですが、実は「ゴマをする」という意味でも使われます。語源は諸説ありますが、「リンゴは医者いらず」<英語ではAn apple a day keeps the doctor away.1日1つのリンゴが医者を遠ざける>と言われるくらい健康によいとされています。かつてアメリカで、先生に気に入られようと、ピカピカに磨き上げたリンゴを送り続けた小学生がいたとか。そこから、相手の機嫌を取る、お世辞をいう、など媚びを売って自分の利益を得ようとする人を表すようになったようです。apple polisherで「ゴマすり野郎」のようなニュアンスになります。

使い方を見てみましょう。

A: The boss really likes Emily. エイミーはボスのお気に入りよね。

B: She's really good at being an apple polisher. ええ、ゴマするのが上手だもの。

「ゴマをする」は他にもsuck up(機嫌を取る)やflatter(おべんちゃらを言う)など色々な言い方があり、スラングではbrown-noserという言い方もあります。上司のお尻に鼻を突っ込むのもいとわない、というニュアンスです。あまり上品な表現ではないので覚えておくだけにしておいて、使うのはひかえましょう。また、見え見えのお世辞やおべっかを使ってくる人に対して、「ゴマをすっても無駄だよ」という時は、Don't flatter me.という言い方をします。

さらに掘り下げたいappleとその関連表現

A: Oh, do you have a dog? あら、犬飼ってるの?

 B: Yeah, he's the apple of my eye. うん、もう可愛くて。

*apple of one's eyeで「~にとって大切な存在」、「目に入れても痛くない存在」というニュアンスになります。

A: My mom thinks Tom is a bad apple in school, but he's a really nice guy. ママはトムのこと学校の問題児だと思っているけど、彼はいいやつだよ。

 B: I agree with you. 僕もそう思う。

*bad appleは「腐ったリンゴ」という意味ですが、周りに悪影響を与えるような「問題児」「厄介な人」というニュアンス。One bad apple spoils the barrel.一つの腐ったリンゴが樽内のリンゴ全て無駄にする、某ドラマの「腐ったミカン」と同じイメージです。