ニュートンのリンゴや仏陀の菩提樹 訪ねてみたい名木

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/12/15
ナショナルジオグラフィック日本版

「ワナカ湖の孤独な木」(ニュージーランド、ワナカ) まるで湖の底から生えてきたようなヤナギの木。マウント・アスパイアリング国立公園の端に位置するワナカ湖を訪れた人は、必ずこの孤独な木に目を奪われる(PHOTOGRAPH BY MARTIN VALIGURSKY, ALAMY)

歴史的に重要な木や、壮大な木を見ると、自分が自然の驚異とつながっているような不思議な感覚を覚えることがある。

木は私たちの想像力を刺激する。例えば、後世まで伝わる名著にインスピレーションを与えるだけでなく、木そのものが崇拝の対象となることもあった。

また、ある国の歴史を目撃してきた木もあれば、科学者や宗教家を育てたと伝えられる木まである。

森林浴という言葉があるように、木のそばでマインドフルな時間を過ごせば、心身を癒やし、幸福を感じることもあるだろう。またその美しさから、目を奪われた人々が吸い寄せられるように集まることもある。

次ページ以降でも、ニュートンのリンゴの木や、1000年近く前からフランスの聖地に立つ古木、さらにはサッカー場を覆いつくすほど枝葉を広げたブラジルのカシューの木などを紹介する。

どの名木も、訪れる価値があるものばかりだ。

「スリー・マハー菩提樹」(スリランカ、アヌラーダプラ)

マハメウナ庭園のスリー・マハー・菩提樹はインド、ブッダガヤの菩提樹の南枝を植樹したものと考えられている。ブッダは、ブッダガヤの菩提樹の下で悟りを開いたとされる(PHOTOGRAPH BY MANFRED THÜRIG, ALAMY)

「ボアブ・プリズン・ツリー」(オーストラリア、ダービー)

太い瓶のような形の幹が目を引くボアブ・プリズン・ツリー。幹の内側は空洞になっていて、かつては刑務所として使われているといううわさがあった(PHOTOGRAPH BY DIANE COOK AND LEN JENSHEL, NAT GEO IMAGE COLLECTION)

「ドラゴ・ミレナリオ」(スペイン領カナリア諸島、テネリフェ島)

カナリア諸島で最も人口の多いテネリフェ島にそびえ立つドラゴ・ミレナリオ。空想的なシルエットと鮮血のような樹脂を持つ。800年以上にわたってあがめられ、民話の題材にされてきた(PHOTOGRAPH BY MARTIN SASSE, LAIF/REDUX)

「大藤棚」(栃木県、あしかがフラワーパーク)

あしかがフラワーパークの名物は巨大な藤棚。春になると、明治時代初期のフジが咲き誇り、約2000平方メートルもの面積の花の天井になる(PHOTOGRAPH BY JUDY BELLAH, ALAMY)

「エンジェル・オーク」(米国サウスカロライナ州、チャールストン)

ジョンズ島のエンジェル・オークは、約1600平方メートルもの広大な木陰を提供してくれる(PHOTOGRAPH BY GLENN NAGEL, ALAMY)
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「パンド」(米国ユタ州、フィッシュレイク国有林)