営業先の家にいるペットが苦手
女優、美村里江さん
営業でお客さんの家に行くことがあるのですが、2軒に1軒は犬や猫を飼っています。私はもともと動物が苦手で、いつも反応に困ります。触りたくないですし、かといってかたくなに拒むわけにもいきません。(愛知県・30代・女性)
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営業でお客様の家を訪れる。飼い主はペットを褒めてもらいたい。大変気を遣うシチュエーションですね。毎日のお仕事、お疲れさまです。
回答としては、大変シンプルにまとまりそうです。
ペットを見かけたら、まず心証をよくするためニッコリ「かわいいですね」。そしてすかさず「アレルギーが出てしまうことがあるので、触れないんですけど……」と触るルートを回避。「でも動物を飼うのって余裕がないとできないですよね。いいですね」と、もう一度笑顔。こんな感じでしょうか。
多分これで、90%のお客様はご納得してくださると思います。ときどき「あら、うちの子は毎週特別なシャンプーしているから大丈夫よ!」とくる人もいそうですが、「アレルギーの原因がはっきりしていないので」と逃げ切ってください。
実際、相談者さんには、なんらかのアレルギーがあるかもしれません。動物が苦手な理由は、触った後に不愉快=体調不良になるからではないでしょうか? 今は、多くのアレルギーをチェックできる血液検査もありますから、気になる場合は是非調べてみてください。
もう一点、お家の方が理解してくださっても、ペットが自主的にすりすり来たら、飼い主さんが気づくまで止められませんね。こちらも考えましょう。
動物好きな人は、自分からぐいぐい近づいて嫌われることがあります。それに対し、構ってこない相談者さんは、動物から「この人優しそう」と思われている可能性があります。意図せず、好かれているわけです。
10年ほど前まで、吠(ほ)え癖のある犬のために、スプレー入りの口輪が売っていました。「ワン!」と吠えると、犬の苦手な匂いがプシュッと出て嫌な思いをさせることで、しつけていくアイテムです。
このスプレーには、若いリンゴから作られた成分が入っているそうです。猫と同様に柑橘(かんきつ)系を嫌う犬も多いと聞きます。こういったグッズや香水を、足首などに吹き付けておくのも一案です。
相手の領地内で話をするのは、それだけでも大変ですね。アレルギー理由は方便ですが、笑顔で余裕を感じさせることも相談者さんを守ると思います。なるべく消耗しない方法で頑張ってください。
[NIKKEIプラス1 2019年12月7日付]
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