相次ぐアルムナイ呼び戻しの取り組み

大日本印刷グループでは19年4月から、社外の視点を積極的に取り入れるための雇用制度の一環として「ジョブ・リターン制度」を新設した。専用サイトを設け、原則として退職理由を問わず社外の視点を積極的に取り入れるためのAコースと、結婚や出産、育児、介護などを離職理由とし多様なライフプランに対応することを目的とするBコースに分けて受け付けている。Bコースに関しては、従来からあった「re-work制度」からの移行だ。

コニカミノルタも17年12月から「ジョブ・リターン制度」を導入。専用サイトを設け、「退職前に培った知識や経験に合わせ、退職中に得た知見・人脈・経験を生かして、再び活躍していただくための制度」とうたっている。イノベーション創出の源として、社内の多様性を強化したいという狙いがあり、「なかには管理職として活躍している人もいる」(広報)。

アルムナイ復帰の奨励は企業のダイバーシティー推進戦略の一環にも位置付けられている。元社員の樋口泰行氏を役員として迎え入れたことが話題となったパナソニックでは、この出来事をきっかけに、従来の再雇用に加えて、一度パナソニックに入社した後に別のキャリア経験を積み、再びパナソニックに戻る「出戻りキャリア」の受け入れを拡大することを対外的に告知している。

いったん退職した後もかつての同期や同僚と接点を持ち続けていたから、復帰の心配は小さかったという

とはいえ、古巣へ戻った後に管理職になるケースはまだ珍しい。元いた会社へ戻るアルムナイ側にしてみれば、「古巣に快く受け入れてもらえるだろうか」という不安もあるだろう。特に離職期間が長期にわたった場合、会社の内情がよくわからないと、うまく人間関係を構築できるだろうかなどの不安も大きくなる。

福士さんの場合、退職してからの期間が約17年と長期にわたった。しかし、「退職後も同期や元同僚と連絡をとり続け、定期的に会って食事をするなどしていたので、かつて所属していた会社に戻ることに、大きな不安はなかった」という。

アルムナイ採用を促す狙いから、元社員のネットワークを構築しようとする動きも出始めた。貴重な戦力のカムバックを促すには、退職した仲間との間でどのようにして良好なつながりを保つかが重要になりそうだ。

(ライター 曲沼美恵)

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