オファー絶えない女優・堀田真由 違う畑を耕したい

日経エンタテインメント!

『チア☆ダン』(2018年)や『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(19年)など学園ものの常連となった堀田真由。今年の出演作は10本を超える多忙さで、映像の作り手からのオファーが絶えない。女優の仕事を心から楽しんでいるようだ。

1998年4月2日生まれ。滋賀県出身。14年、アミューズの新人発掘オーディションでWOWOWドラマ賞を受賞し、芸能界入り。『超・少年探偵団NEO-Bigining』『108~海馬五郎の復讐と冒険~』にも出演(写真:藤本和史)

10月以降公開の映画が4作、ドラマが2本。今年の出演作品は12本になる。『チア☆ダン』『3年A組-今から皆さんは、人質です-』などで高校生役のイメージが強いが、現在21歳。制服の役を演じるようになったのは、高校を卒業してからだという。15年に17歳で女優デビューした後は、ベテラン俳優たちとの共演作品を通じ、現場を一から学んでいった。高校生をリアルに演じるフレッシュさを備えながら、年齢よりも成熟した大人の雰囲気をまとっているのもそれゆえなのだろう。

「初めて出演した『テミスの求刑』(15年)は女子高生役だったので、監督さんから私の思うまま自由に演じていいと言われたんですよ。そのほうがリアルだからって。私、こうやりなさいと言われるとダメなので、デビュー作でやりたいようにやれたのは幸運でした。お芝居楽しい!という気持ちを抱けたので。

映画『超高速!参勤交代リターンズ』(16年)では富田靖子さんとご一緒させていただいて、こんなにもお芝居に向き合い楽しんでいる方がいるんだと驚きましたし、その後も共演するたびにいろいろなことを教わっています。同じ事務所に尊敬できる先輩ができたのは大きかったですね。ドラマ『コールドケース』(16年)では虐待を受けているいじめっ子という複雑な役柄で、お風呂に頭を沈められるシーンがあって、役者ってここまでやるんだって、ある意味覚醒したんですよ。過酷な仕事だけど、すごく楽しいって(笑)。

高校時代は同世代の人たちと共演する機会はあまりなく、先輩の役者さんたちと濃密にお芝居する作品が多かったんです。そこで現場での振る舞いや芝居との向き合い方を教わったことが、今の私に生かされてると思います」

17年、朝ドラ『わろてんか』でヒロインの妹を演じ、「発見」された後は、学園を舞台とした様々な作品で存在感を放つ。同世代との現場は、彼女にとってどのような意味を持つのだろうか。

「20歳を過ぎて制服を着る機会が増えたのはうれしいですね。学生時代にそんなに青春を楽しめてはいないので、役を通して高校時代を再体験させてもらってる感じ。『チア☆ダン』は幼稚園からやっていたバレエを生かせる作品だからどうしても出たかったんです。いただいたのも主人公に敵対するインパクトのある役で、この役のイメージはいまだに強いかな(笑)」

熱かった『3年A組』の現場

「同世代の役者が集まる学園モノは、みんなが熱を持ってエネルギッシュな芝居をしてくるので、私の負けず嫌い魂が炸裂して、よりいい芝居ができるような気がするんですよ。すごく刺激になります。最も強くそれを感じたのが『3年A組-今から皆さんは、人質です-』です。密室劇だったから現場も濃かったし、バラバラだった生徒たちの矢印が徐々に1つになっていくという物語だったので、それと呼応して、どんどんみんなの結びつきが強くなっていった。先生役の菅田将暉さんからは役を通して、『次はお前たちの番だ』とバトンを渡された感じもあって、このみんなと一緒に頑張っていこうという気持ちになりました」

(写真:藤本和史)

98年生まれは広瀬すずを筆頭にキラ星のごとく有望な若手女優がひしめく黄金世代。勝ち抜くのは容易ではないが、カースト上位の高慢な役から親しみやすい幼なじみまで、どんな役柄でもこなせる幅広い演技力や自分を客観的に見つめるプロデューサー的視点など彼女は多くの武器を持っている。

「今まで本当にたくさんの役を演じてきたことが自分の強みだと思うんですよ。『ブラック校則』で演じているのは高慢な女の子で、系統としては『チア☆ダン』や『3年A組-今から皆さんは、人質です-』に近いけど、同じような人物には見せたくない。『超・少年探偵団NEO』も『108~海馬五郎の復讐と冒険~』も『殺さない彼と死なない彼女』も全然違った顔が見せられると思います。さらに引き出しを増やす意味でも『坂上どうぶつ王国』(フジテレビ系)に出られているのがありがたいです。人との距離感を学べるし、ロケ先での振る舞いや現場の回し方など芝居に生かせることも多いんです。

やはり、今より上に行きたいという気持ちはありますし、そのためには違う畑を耕したほうがいいと思ったりもします。例えばミュージカルに挑戦したら、そこにはもっと輝ける自分がいるかもしれない。堀田真由を成長させるためにはどうすればいいのか、いつも考えてるんですよ。もしかしたら裏方のほうが合ってるのかも(笑)」

(ライター 蒔田陽平)

[日経エンタテインメント! 2019年11月号の記事を再構成]

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