元欅坂46の今泉佑唯 女優の覚悟「反骨心で快感知る」

日経エンタテインメント!

2018年11月に欅坂46を卒業し、今年から女優としての活動をスタートした今泉佑唯。10月期は『ミリオンジョー』『左ききのエレン』と2本の連続ドラマにレギュラー出演。来年も複数の映画が控えるなど、いよいよ演技の仕事が本格化する。女優として生きる覚悟と面白さを教えてくれたのは1本の舞台だった。

1998年9月30日生まれ。神奈川県出身。18年11月に欅坂46を卒業し、女優の道へ。10月期は『ミリオンジョー』(テレビ東京系)、『左ききのエレン』(MBS・TBS)に出演。来年公開の映画『転がるビー玉』はストリートミュージシャン役で、弾き語り姿も披露(写真:アライテツヤ)

欅坂46時代は小林由依との弾き語りユニット「ゆいちゃんず」で活躍するなど、今泉は歌のイメージが強いメンバーだった。当然、卒業後は音楽の道に進むと思っていたファンも多く、女優への転身は意外とも思える選択だった。

「歌はもちろん大好きだし、いつかまた歌いたいという思いは強くあります。ただ、欅坂46として活動していくなかで、歌うことやパフォーマンスをすることに満足した瞬間があったんですね。自分を表現することは十分やったなって。昨年春のデビュー2周年記念ライブではっきりとそれを感じて、次の道に進もうと思いました。それがお芝居だったんです。ライブのすぐ後にドラマ『恋のツキ』(18年)のオファーをいただいて、撮影中にはもう卒業を考えていました。

ずっと自分自身を表現してきたので、お芝居で違う人物になれるというのがまず新鮮で、楽しかったんです。もちろん、楽しいだけの世界ではないことはすぐに思い知らされました。それが舞台『熱海殺人事件』です(19年3月~4月/東京・大阪)」

壁は高いほど乗り越えたときの達成感が大きい

「稽古期間は追い詰められすぎて誰とも話せず、毎日泣いていました。まず舞台のイロハを知らないから、自分は何ができていないのかすら分からなくて、頭の中がパニックになって…。欅坂46時代はプレッシャーを感じることがなかったんですよ。自分ができなくてもメンバーがいるからという安心感があったので。

でも、舞台は私がダメなら作品が成立しない。プレッシャーに押しつぶされそうになって、休憩になるたびに稽古場から逃げて、泣いてました。演出の岡村俊一さんから『絶対大丈夫だから』と励まされても、『なんの根拠があって大丈夫なんですか』って言ってまた泣いて(笑)。でも、『舞台に立てば絶対変わるから』と言われて、その言葉を信じて、自分を奮い立たせて頑張ったら、その通りでした。

同じ物語なのに毎日お客さんの反応が違うんですよ。昨日はここですごく盛り上がったのに今日は反応が薄いなとか、そういうのがはっきり伝わってくる。そうなると今度はこっちに火がついて、芝居のテンションが上がる。同じ話、同じセリフなのに芝居は毎日違うというのが楽しくて…。稽古中は二度と舞台なんかやらないと思っていたのに、終わった時にはまた舞台をやりたいって思ってました。

壁が高ければ高いほど乗り越えた時の達成感は大きいじゃないですか。反骨心が私のモチベーションなので、できないと言いつつも絶対に諦めないし、困難を克服して、やり遂げた時の快感をまた味わいたいんですよね」