70歳定年時代が来る 成功者は仕事の選択肢使い切る20代から考える出世戦略(72)

企業を使いこなす個人が成功する

このように整理してみると、私たちが考えるべきは、義務から権利への視点の転換です。

個人の視点で見た場合なら、生活を守るための労働から自己実現のための労働にどう結び付けてゆくか、ということを考えるわけです。

しかし、それは個人としては限界がある取り組みです。目の前の生活に必死な状況で、自己実現なんて言われてもむなしいだけでしょう。

私がここで示したいのは、社会側の仕組みをうまく活用することです。

たとえば「互助」というキーワードがありますが、その最たるものは生活保護であり、失業者への給付金です。短期的な助けを得られる仕組みが互助です。そして互助の仕組みは、企業で働きながらでも活用することができます。

たとえば社会人の学びなおしのための教育訓練給付制度はわかりやすい仕組みです。

また企業によっては、教育だけでなく、財産形成のための補助や、確定拠出型の退職金の仕組みを導入していることもあります。これらはいずれも個人の生活を助けるために使えるものであり、義務としての労働負担を下げられる可能性を高めます。

また転職の機会が増えていたり、起業のためのアイデアイベントが増えたりしていることは、社会の視点からの権利拡大の仕組みです。企業に置き換えてみると、副業の促進なども含まれます。これらの機会をうまく活用することで、個人としての自己実現の可能性を高めることができるでしょう。

重要なことは、今目の前にある会社の仕組みを、多面的に見ることです。

単純に定年から再雇用として理解して、だから何歳まで働ける、そこで必要な資金はいくら、という風に考えてしまうと、柔軟性も可能性も縮んでゆきます。それらは義務として労働の視点に基づくものだからです。

私たちがよりよい生活、よりよいキャリアを築くためには、権利としての労働を意識しなくてはいけません。そのために、社会や企業が用意してくれた選択肢を使いつくすことがとても重要なのです。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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