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唐揚げは1種類月替わりの限定フレーバーもあり。写真は「せせり×緑」(550円・税別)(写真提供:Shoki Eno)

多治見さんは飲食業の経験があったわけではなく、料理人でもなかったが14年4月、縁あって都内にイタリアンレストランを開業した。しかし、このときはまだお茶割りアルコールドリンクを提供する夢は実現していなかった。その夢が現実味を帯びだしたのは2店目の出店を考えていた16年夏ごろのこと。

ちまたではちょうどレモンサワーが流行の兆しを見せていた。大手飲料メーカーが実施した16年度のアルコール飲料の消費者実態調査でも外飲みでレモンサワーを飲むことが増え、好きなフレーバーの1位をレモンが獲得している。また新宿ゴールデン街にレモンサワーに特化した店がオープンしたのもこの年だった。

居酒屋でもレモンサワーを出す店が増えていた。人気の居酒屋の傾向を調べてみると、それぞれその店こだわりの味を徹底追求するスタイルだった。一方、お茶割りはどうか。居酒屋には昔から緑茶ハイやウーロンハイなどのお茶割りがあるが、甲類焼酎にペットボトルのお茶を注いだ簡単なものがほとんどだった。ボトルキープした酒を何かで割るという飲み方をするときも、割るために使うドリンクの選択肢は意外に少ない。水割りか、お湯割りか、お茶割りか。大別するとこの3つになるが、使われるのはペットボトルのお茶だった。

「お茶割りといえば、地味なもの、甲類の焼酎をペットボトルのお茶で割っただけの簡単なものとなっているのが、もったいないと感じました。お茶という概念はとても広いものです。ひとくちにお茶といっても、緑茶、紅茶、ウーロン茶やジャスミン茶などの中国茶、沖縄のさんぴん茶まで色々なお茶があります。割る物としてきちんといれたおいしいお茶を使ってみたい。色々なお茶があっていい。ベースの酒も焼酎だけでなくてもいい、広がりを持たせる方向で考えてみたいと考えました」

珍しいダチョウ肉も唐揚げに。「ダチョウモモ×カレー」(650円・税別)(写真提供:Shoki Eno)

「茶割 目黒」は、学芸大学の1号店と違って深夜営業はせず、ランチタイムも営業するため、食事メニューとして丼ものやお茶漬けもある。唐揚げもお茶割りアルコールドリンクと同様、「100マス計算」方式で100種類の唐揚げを注文できる。肉は鶏肉(モモ肉、ムネ肉、ササミ、砂肝、ぼんじり、せせり)、ダチョウ肉(もも肉、フィレ)、カモ肉(モモ肉、ムネ肉)の10種類と、味付けはプレーン、ユズコショウ、カレー、ワサビ、南蛮、パクチー、土佐酢、赤(トウガラシやニンニクをきかせたスパイシーな味付け)、緑(抹茶塩)、月替わりの10種類。こちらも価格は400円(税別)からだ。

10×10で100種類のお茶割りと、10×10で100種類の唐揚げ。自由な組み合わせから味が広がる。斬新な仕掛けを楽しみながら、自分好みの組み合わせを見つけたい。

(日本の旅ライター 吉野りり花)


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