客の感情を「LIKE」から「LOVE」に変えるのが夢

苦境の中で女性リーダーであることはプラスに働いた。店のお客の50%は女性。家族での外食でも店を決定するのは母親であることが多い。「何が求められているかを考えるうえでも女性の視点が役立ちました」

スーツ・オブ・ザ・イヤー2019授賞式で。「女性では初の受賞者ということで大変名誉で、うれしい。スーツを着ると自信が持てる」(東京都千代田区のPALACE HOTEL TOKYO)

品質・サービス・信頼を回復する方針を打ち出し年2回、全国の店長やオーナー、本社の職員ら4000人が一堂に集まる会議をスタートさせた。そこでプランを共有し、基本に立ち返ることを約束する。最初の会議で発表した新しいテーマが「パワー・オブ・ワン」。ワンとは、お客の満足のために頑張る社員一人ひとり、の意味であり、全体が一つになってワンチームで戦う、という意味も込めた。その後のV字回復を淡々と振り返る。「お客さまにフォーカスした正しいプラン、そして同じ方向を向いたチームが頑張ったという2つの要素が、ターンアラウンド(事業再生)を起こしたから」

「今の状況はハッピーですが、満足はしていません」と次のチャレンジに目を向ける。女性の社会進出や単身世帯の増加は追い風。利便性や価値を求める消費者はますます増えるだろう。インバウンド需要の大きな高まりも期待でき、日本における潜在需要は非常に高いとみる。「カナダに暮らす私の父はマクドナルドに週4回行く。朝、コーヒーを飲みに仲間が集まっておしゃべりする。マクドナルドはシニアの気軽なコミュニティーの場にもなる」。より快適な店にしたいと9割以上の店を改装し、席まで食事を持っていったり、スマホでの事前注文を受け付けたりする新型店の展開も始めた。

「私の夢は、マクドナルドが好きというお客様の『LIKE』の感情を『LOVE』に変えること」。そのために大事なのはお客にとってだけでなく、従業員にとっても、社会にとってもベターマクドナルドになること。環境への配慮といった社会的責任や従業員の働き方改革。チャレンジはまだ続く。

(Men's Fashion編集長 松本和佳)

サラ・エル・カサノバ
カナダ生まれ。マックマスター大学大学院経営修士課程修了後、1991年にマクドナルド・カナダ入社。2013年に日本マクドナルド代表取締役社長兼CEO就任、14年から現職

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