「AI社会を生き抜くカギ」 STEM的思考のススメ

日経doors

米国ではSTEM関連の職業に人気集まる

米国では既に、「STEM jobs(STEM職業)」が広く認知されています。検索で「Best STEM Jobs」と調べれば、給与が高く失業の可能性が低いことで人気のSTEM職業が多くランキングされていることが分かります。

例えば米情報サイト「U.S. News & World Report」の独自調査※によると1位はソフトウエア開発者(年収は約10万2000米ドル、約1100万円)、2位は統計学者(約8万4000米ドル、約910万円)から会計士や土木工学まで、伝統的な理系職業もあります。ビッグデータを使い、新しいビジネスやマーケティングを生み出す職業に人気が集まっているため、国を挙げてSTEM人材の育成に力を入れているのです。米国は2018年度のSTEM教育に、3億ドル(約320億円)を投じました。

※ランキングは、給与の平均値や雇用の大きさなどの複数の指標を基に、U.S. Newsが独自にスコアリングしたもの

新井さんによれば、日本にはまだ、STEM職業というくくりは特にないそうです。ただ米国におけるSTEM jobsを見れば、既に存在している多くの理工系職業が当てはまりそうです。ですがそれだけではありません。もっと幅広い職業がSTEMの考えを基にしているとされ、例えばお酒造りや栄養学、歴史の専門家も、科学的に物事を考えるSTEM職業に入れることができるでしょう。

歴史や料理、意外な分野でもSTEM的思考が役立つ

私たちもSTEMな人たちが実行している物事の思考法、すなわち「STEM的思考法」を身に付けると、視野が広がり、問題解決がしやすくなります。

新井さんは「何を実現したいのかを明確にして、取り組みたい課題を見つけることから始めましょう。批判的に物事を眺めてみるのがポイントです。そしてその課題を数理的、科学的に考えてみるのです。自分に足りない力やスキル、知識があると感じたら、身近な教材を使って勉強すればいいのです」と勧めます。

注目記事
次のページ
まとめ