「AI社会を生き抜くカギ」 STEM的思考のススメ

日経doors

「STEM的思考」を身につけると課題解決が容易になる(写真はイメージ=PIXTA)
「STEM的思考」を身につけると課題解決が容易になる(写真はイメージ=PIXTA)
日経doors

「STEM」「STEM人材」……最近よく耳にしますよね。「ステム」と読むわけですが、これって一体、何なんでしょう。STEMは基礎となる「科学、技術、工学、数学」(Science、Technology、Engineering、Mathematics)の分野を基にした思考やスキルのこと。人工知能(AI)社会を生き抜くカギと目されます。課題発見から解決まで「科学的な思考」を身に付ける「STEM的思考法」について、STEM教育専門家 新井健一さんに聞きました。

科学的に考えて、世の中の問題を解決する

新井健一さんは、コンピューターによる教育効果を測る研究に長年携わってきた教育工学専門家で、STEM教育に関する研究・提言をする日本STEM教育学会の会長を務めています。

「STEM的な思考法とは何でしょうか」というそもそもの質問に、新井さんは「数理的、科学的に考え、世の中の問題を具体的に解決する」教育や考え方の基礎だと答えてくれました。STEM的な思考法とは簡単に言えば、科学技術を使って課題発見から解決までを行い、「人間の幸せにつなげる考え方」なのです。

新井さんはSTEMの中でもことに「E(エンジニアリング)」の力に着目します。

「E」の力は「問題解決プロセス」とされます。このプロセスは3段階に分かれ、

(1)「問題や課題を発見する」
(2)「手順を考え実行する」
(3)「結果を振り返る」

を繰り返していきます。

(1)の課題発見は最も重要な部分。しかも、人間がすべきプロセスです。なぜなら(2)以降のプロセスを決定するからです。プログラミングでもものづくりでも、現実の社会に合うようにデザインするには、課題発見力を育てることが重要になります。(2)は演算を含むので、コンピューターで自動化しやすい。AIにがんばってもらうという選択肢もあるでしょう。

STEM的な「問題解決プロセス」。まず問題や課題を発見し、次に解決に至る手順を考え、実行する。解決したらその振り返りを実施することで、解釈・判断ができる。そして新たな問題解決プロセスへ向かう。最初の課題発見が、人間のすべき大事な最初の一歩となる(新井さんの話を基に日経doorsが作成)