年収1000万円で新卒って誰? その採用条件を考える20代から考える出世戦略(71)

経験で身につかない能力が求められている

そのような選択の背景には、優秀な新卒の採用市場が高騰しているということがあります。これをもっと具体的に言うなら、GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)やその手前のユニコーン企業などが、優秀な新卒に対して高額な年収を提示しているからです。いや、新卒に限らず優秀な人材に対して、シリコンバレー基準での年収を提示して引き抜くことも増えています。日本の有名企業の人事部長が「優秀な若手からGAFAに引き抜かれていく」とぼやく声も頻繁に聞くようになりました。

ただ、彼らは優秀だから高額年収を提示されている、と理解してしまうと勘違いしてしまいます。

私たちは「優秀さ」の定義をあらためて考え直さなくてはいけません。

今、各企業が求めている優秀さとは、「希少性の高い特定のスキルを持ち、かつそれらを発揮した実績」を指しています。

なぜこの点が重要かというと、日本の新卒採用基準に慣れている私たちは、優秀=地頭が良い、と勘違いしがちだからです。

単に地頭が良い人材なら、いくらでも存在します。重要なことは、その地頭の使い方を特定の領域に特化させ、学生の間にすでに一定の成果を可視化している人材が高い評価を得ているということです。

優秀な人を求める企業が増えているのではなく、若くしてとがっている人を求める企業が増えている、と理解したほうがわかりやすいでしょう。

また、優秀であることと結果を出していることとの関係についても、私たちは誤解しているかもしれません。優秀な人材が会社に入ってから結果を出す、という順番で考えてしまうのであれば、それもまた今の状況の理解を邪魔してしまいます。

優秀であることの証明を学生の間にしてしまっていることがより重要です。それが難関学会で発表した論文であったり、独自に開発したアプリケーションのダウンロード数であったり、さまざまな目に見える形での成果なわけです。

今高額年収で求められている人材とは、可視化されたとがった優秀さを備えた人材だと言えます。

すでに働いている私たちはどう考えればよい?

ではすでに企業の普通の人事の仕組みで採用されている私たちは、そんな新卒たちを横目にどう行動すればよいのでしょう。

彼らは特殊なヒーローだから、と割り切ってしまうことも選択肢としてはあります。しかし先ほど示した「優秀さ」の定義を考えてみれば、いつでも自らの行動を変革してゆくことができます。

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