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湖池屋の佐藤章社長

湖池屋の佐藤章社長

スナック菓子市場2位の湖池屋を守りから攻めに転じさせた佐藤章社長(60)は、実はスポーツマンだ。バスケットボールやラグビーを若い頃に本気でプレーした。キリンビールを退職した後、2016年に湖池屋へ転じたとき、社内での連携ができていなかったことに気づいた。このときヒントになったのが、ラグビーだという。部署の垣根をなくして連携し、決めるときには「朝令朝改」もいとわない。佐藤流の「ワン・フォー・オール」だ。

<<(上)社長室はいつもオープン 社員と常在現場で会社変える

――創業家の小池孝現会長から社長職を引き継いだ3年前、何から取りかかりましたか。

「リーダーはまずゴールを設定しなければなりません。組織をどこへ向かわせるのか。ゴルフコースと同じで、まず、グリーン上のどこにホールがあるのか旗を立てて社員に見せなければいけません」

「湖池屋のゴールはどこかを考えたとき、1967年にポテトチップスを日本で初めて量産化した創業者、故小池和夫氏に立ち返るべきだと気づきました。日本人の舌に合うように、のり塩味のポテトチップスを作った人です。オリジナリティーにあふれているでしょ」

創業者の録音テープに学ぶ

「何かヒントがないかと社内を聞いて回ったら、小池和夫氏が亡くなる数年前に残した肉声の録音テープがあるという。全部聞いて大事なところは書き出しました。中でも心に残ったのが『発想がなければ何もできない』という言葉です。つまり『物まねじゃダメだ』ということです」

――しかし社内はなかなか動かなかったそうですね。どう対応しましたか。

「僕が良くないと思ったのは、社内の連携が乏しかったことです。マーケティング、営業、生産がバラバラで、同じ会社のメンバーなのに各部署のトップはほとんど話もしたことがなかったのです。部署がバラバラに動くと、無駄が多くなります。物流コストに無駄がでるし、営業は勝手に値引きをしたりする」

――同じ方向を見る組織にするためにどうしましたか。

「ヒントはラグビーにありました。僕は早稲田大学高等学院(東京・練馬)に在学中、バスケットボールでインターハイに出場しましたが、早大に進学してラグビーと出合い、新卒で入社したキリンビールでは実業団チームでプレーしました」

社内の各部署をラグビーチームに見立てる

「ラグビーと経営ってぴったり合うんです。前へ行くフォワード、後ろで走り回るバックス、中間でボール回しを差配するスクラムハーフやスタンドオフ。組織もこんなふうに役割分担して、連携すればいいんです」

「そこで、各部署をラグビーチームに見立てました。マーケティングや商品開発、生産の部分がフォワードです。お客様にどんどん近づいて、何をほしいのか本音を聞き出し、商品にして生産する。バックスは営業です。走りまくって、お得意様一軒一軒に合わせた営業をして、相手の求める品ぞろえを提供する」

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