1.4倍速いWi-Fi次世代規格が始動 対応製品が続々
次世代の無線LAN規格「Wi-Fi 6」の普及が本格化し始めた。パソコンなど対応機器が続々と登場している。
Wi-Fi 6の正式名称は「IEEE802.11ax」。現在主流の11ac規格の後継に当たる。通信速度は11acの約1.4倍、最大9.6Gbpsに強化される(図1)。
従来規格と同様に5GHz帯と2.4GHz帯の周波数を使用する。既存規格の機器もそのまま接続して使用できるが、その場合の最大速度は従来と変わらない。ルーターと端末の双方が新規格に対応する必要がある。
規格の世代を明確にするため、Wi-Fi 6という愛称が付いたのも新機軸。これに合わせて、11acと11nにも同5、同4という愛称が付いた。9月には、規格の策定にあたるWi-Fiアライアンスが認証プログラムを開始。今後は認証済みの製品が増えるはずだ[注]。
「Wi-Fi 6対応」をうたうパソコンもすでに登場している(図2)。さらに、インテルの第10世代CPUが登場したことも、普及を後押しするだろう。第10世代CPUはWi-Fi 6に対応しているので、Wi-Fi 6向けのRFモジュールを搭載すればWi-Fi 6が使える(図3)。第10世代CPUは、帯域幅が通常の倍になる160MHzの拡張仕様も先取りし、「Wi-Fi 6 Gig+」と名乗っている。
無線LANルーターでは、バッファローが5GHz帯と2.4GHz帯で合計12ストリームを持つ最上位機種を、エレコムがWi-Fi 6 Gig+に対応した製品を発売した(図4)。スマホでも最新の「iPhone 11」や「ギャラクシー S10」はWi-Fi 6に対応済みだ。
[注]Wi-Fiアライアンスによる認証プログラムが始まる前に先行して登場したWi-Fi 6対応機器は、認証は受けていないが、規格に準拠しているという意味で「Wi-Fi 6対応」をうたっている。
(ライター 田代祥吾)
[日経PC21 2019年12月号掲載記事を再構成]
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