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京都精華大のウスビ・サコ学長

京都精華大のウスビ・サコ学長

京都精華大学(京都市)は京都市北部の田園地帯にある学生数約3000人の大学だ。マンガ学部を設置し国内外から注目されてきたが、少子化が進み定員充足率は約6割にとどまる。2018年4月に学長に就任したウスビ・サコ氏が特に力を入れるのは、ダイバーシティー(多様性)の推進だ。西アフリカのマリ出身という視点から「もっと多様性を」と、入試改革などに取り組む。

<<(上)決断と責任を生む「教えてよ」 異なる意見を否定せず

――少子化が進む中、リーダーとして大学をどう導こうと考えていますか。

「確かに大学を取り巻く環境は厳しいです。変えていかなければいけないこともたくさんある。のんびりと検討する時間はありません。何か変革が必要だとわかったら、すぐにダイナミックに動ける組織にしたい。そのために、学長が先頭きって『これ、もう決めちゃおうよ』と前向きな姿勢でいることを意識しています」

人間、自信を持つと寛容になる

――就任から1年半。自身の前向きな姿勢が学内の空気感を変えたと感じますか。

「私は変化を感じています。13年から17年に私は人文学部長を務めましたが、そのころはどこに行っても『これから大変や』『どうしようか』といった声ばかり聞きました。でも、今は皆が前向きに変えていこうという気持ちになっています。人間、自分が弱っているときは排他的になるものです。でも、前向きに自信を持ち始めると、寛容になる。そういう変化を少しずつ感じています」

――自信をもたせるための声かけのコツはありますか。

「教員として私が実践してきたのは、『君はやればできるよ』というようなひと言をかけることです。こういう声をかけると、学生は自分を枠にとじ込めずちょっとチャレンジできるようになり、本当に優秀な論文を書いたりするのです。教職員に対しても同じです」

京都精華大を多様性に富んだコミュニティーに

――具体的にはどんな変革を打ち出しますか。

「私はマリ出身のイスラム教徒です。そんな私からすると、京都精華大をもっと多様性に富んだコミュニティーにしたい。まずは留学生をさらに増やそうと動いています。また教職員も外国籍や海外で学んだ人材を増やすとか、女性比率を引き上げるといった対策が必要です」

「具体的には、まず2018年度に留学生の入試制度を大きく変え、留学生が留学生向け入試にとどまらず、すべての入試を受けられるようにしました。受験の機会を増やした結果、留学生の数が増えただけでなく、面白いことに以前よりさらに優秀な留学生が入ってくるようになりました。日本人の学生と同じ試験で、小論文で上位に入る留学生もいるほどです」

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