プレゼンスコンサルタント 丸山ゆ利絵

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こんなときの「あるある」に「平服と言うことは、ふだんの自分の服装でいいのか」と、本当に普段着で行ってしまった、という話がよくあります。ひどい例ではTシャツとジーンズでひんしゅくを買ってしまったり。まさかあなたはそんな間違いはしませんよね? とはいえ、あらためて「平服とはどんな服装か」と言われると困ったりします。

パーティーでの立ち居振る舞いは、あなたの会社のイメージや仕事のセンスも印象づけます=PIXTA

答えは「フォーマルでない日常感覚の服」となります。日本ではよく「ハレの日、ハレの場」と呼びますが、日常とは違う特別な雰囲気の場面があります。そんな場面では昔は礼服やそれに準じる形式色の強い衣服(フォーマル)を身に着けることが今より断然多かったので、その礼服などの装いに対して「平服」という言葉が生まれました。ですから、平服は「フォーマルでない日常感覚の服でよい」というニュアンスになるのです。

「なんだ、じゃあやっぱり普段着でいいんじゃないか」とお感じになる方もいるかもしれませんが、もう少し状況のそしゃくが必要です。「フォーマルでない日常感覚の服」だからといっても、行く場所が公共の場=パブリック、ということは考えるべきだからです。

ましてビジネス関連の集まりなら、多かれ少なかれ会社の「顔」として参加することになります。また会社に属していなくても、自分自身というブランドイメージを見せる場になります。そこそこきちんとした場所であるなら、そこそこきちんとした格好は必要です。

「平服」という指定自体はだんだんと少なくなっていますし、服装のカジュアル化が今後増す中で、「平服」のイメージも変化していく可能性はあります。しかし、招いてくれた人に失礼にならない程度の格好、そして自分の立場や役割をきちんと考えた格好という観点は大人として持っておきたいものです。

「パーティーの服装」のニュアンス

「パーティーの服装」とわざわざ言うと大げさに聞こえますが、実際は上で言ったように、「ブラックタイ」などのフォーマル指定以外は普通のビジネス服の延長と考えればよく、そのニュアンスの違いがある程度です。

例えば「ビジネスアタイア」は「仕事服」の意味なので、「普通に仕事帰りの格好でOKです」ということです。しかし、ちょっと気をつけたいのは、こういう書き方の場合は「ノーマルなビジネススーツ」を想定していることが多いことです。自分の仕事ではこうだからと、あまりカジュアルな格好にするよりは、普通にスーツを着ていったほうが無難です。

「エレガント」は、「少しドレスアップした感じ」と考えればいいですが、「ドレスアップ」というと男性には想像しにくいかもしれませんね。この場合の「ドレス」は「正装の、きちんとした」という意味です。同じ意味で、きちんとしたスーツに合わせてよいシャツを「ドレスシャツ」と呼び、同じく合わせてよい靴を「ドレスシューズ」と呼びます。

「エレガント」のニュアンスを出すには、ダークな色のスーツに白い裏前立てのドレスシャツ、ネクタイはソリッド(柄無し、単色)か小紋やペーズリーなどの古典柄、黒の表革・紐(ひも)あり・内羽根式の靴といったスタイルがおすすめです。「エレガント」のニュアンスの場合、夜の時間帯の靴は黒というのはひとつの原則です。その上でネクタイと同系色でシルクのポケットチーフを入れ、シャツはダブルカフスにシルバーのカフリンクスをあしらえばさらにすてきです。

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