「食べ過ぎたら運動」が鉄則 内臓脂肪落とす筋トレ

日経Gooday

「ラーメンとチャーハンをセットにして食べたいときもあるでしょう。ケーキを食べたり、飲み会でお酒を多く飲みたいときもあるはずです。そんなときこそ、運動の出番なのです」(中野さん)

中野さんによると、食べ過ぎたり、飲み過ぎたりしたら、翌日にでも運動することで、消費エネルギーを稼ぐことが大切だという。また、食事後、30分から1時間以内に、以前の記事でも紹介した「血糖値を下げるエクササイズ」を行えば、余った糖分を運動で使うことができるので、結果として脂肪がたまるのを防ぐことができる。

「食事を見直し、食べ過ぎたときなどに運動する、というのが内臓脂肪を落とすための第1ステップです。このステップで『お腹が凹んできたな』と実感できるようになると、やる気が出てくると思います。そうしたら、次の第2ステップで、本格的に運動を取り入れましょう」(中野さん)

10~15分の筋トレを毎日行う

脂肪を落とすための運動というと、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を思い浮かべる人も多いだろう。だが中野さんが、この第2ステップでお勧めするのは、10~15分の筋トレを毎日行うこと、だと言う。

有酸素運動で脂肪燃焼を狙うなら、30分~1時間などの時間が必要になる。一方、筋トレなら、10~15分でも十分にエネルギーが消費でき、また筋肉量を増やす効果も期待できる。

「運動に慣れておらず、筋肉量が少ない人ほど、筋トレをしてほしいですね。筋肉量が増えれば、それだけ基礎代謝も上がり、普段からエネルギーを消費しやすい体質になります。特に大きな筋肉が集中する、下半身の筋トレを行うと効率がいいでしょう」(中野さん)

【下半身筋トレの例:フロントランジ】

両手は頭の後ろで組み、両足を骨盤の幅に開いて、つま先をまっすぐ前に向けて立つ(1)。片足を大きく前に踏み出し、前に出した足の膝が90度になるまで体を沈み込ませる(2)。元の姿勢に戻り、同じ側を連続20回を目標に繰り返し、反対側も同じように行う。(中野ジェームズ修一著『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』より)

筋肉量を増やすためには、週に2、3回、筋トレを行うといい、とも言われている。だが中野さんは、内臓脂肪を落とすためには、毎日10~15分の筋トレを習慣化することのほうがいいと主張する。

「筋トレの間隔を72時間は空けなければならないという考え方もありますが、それは高い負荷で限界まで追い込むトレーニングをしている場合です。内臓脂肪を減らすという目的であれば、運動に慣れてない人ほど、短時間の筋トレを毎日行う習慣を身につけることのメリットが大きいでしょう」(中野さん)

さらに、短時間の筋トレを毎日行うことで、膝などの関節の病気を予防する効果も期待できるという。

「筋トレで膝などの関節を曲げ伸ばしする運動を日常的に行うことで、変形性関節症の予防になることがわかっています。関節が痛むようになると、体を動かすのがおっくうになり、さらに内臓脂肪がたまってしまうので、短時間の筋トレを習慣的に行ってそれを防ぐことは大きな意義があります」(中野さん)

日本人は、先進国の中でも、1日のうち座っている時間が長いというデータもある。座りすぎは、内臓脂肪型の肥満や、変形性膝関節症などにつながる恐れがある。短時間の筋トレを毎日行うことで、内臓脂肪を減らすとともに、関節の病気を予防して将来のロコモティブシンドローム(運動器症候群)のリスクも減らしていこう。

(ライター 松尾直俊、イラスト 内山弘隆)

中野ジェームズ修一さん
スポーツモチベーションCLUB100技術責任者/PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナースポーツモチベーションCLUB100技術責任者、PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー。フィジカルを強化することで競技力向上やけが予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。元卓球選手の福原愛さんなど多くのアスリートから支持を得る。日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとして活躍。最新刊は『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)。

[日経Gooday2019年10月16日付記事を再構成]

女性が医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本

著者 : 中野ジェームズ修一
出版 : 日経BP
価格 : 1,404円 (税込み)

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