70言語以上に対応 仕事や旅行に役立つ音声翻訳機
秋の旅行シーズン、海外で不安になるのが外国語の会話だ。最近は訪日客が増えたことで、外国人と街中で接する機会も多くなっている。そんなときの強い味方として人気を集めているのが、手のひらサイズの音声翻訳機だ。74言語対応機まで存在する翻訳機の仕組みや、選択時のポイントをまとめた。
航空やホテル、接客に役立つ
音声翻訳機には多くの製品があるが、基本的な使い方は同じ。ボタンを押してマイクに向かって話せば、内容を翻訳してスピーカーから流したり、画面に表示したりする。
自分が話す日本語を英語に翻訳して相手に聞かせたり、相手の英語を日本語で聞くことができるわけだ。しかも様々な国や地域の言語を相互に翻訳可能で、会話内容を保存し、内蔵ディスプレーやスマートフォンなどで後から確認できる製品が多い。旅行はもちろん、語学学習やビジネスにも役立ち、接客用に導入する航空会社やホテルも増えている。
音声翻訳機の多くは、クラウド上にある翻訳エンジン(翻訳用のソフトウエア)を利用する仕組みだ。翻訳機自体はスマートフォンに近く、インターネットに接続して使う。マイクから入力された言語はネットを通じて翻訳エンジンに送られ、別の言語に翻訳。結果を翻訳機が受け取って、スピーカーから流す。
端末内ではなくクラウド上で翻訳することで、様々な言語の高精度な翻訳を可能にしている。ネットへの接続状況にもよるが、話した言葉は1秒たらずで翻訳され、ストレスなく会話が可能。クラウド上の翻訳エンジンは随時アップデートされるので、翻訳品質の向上も期待できる。
従って翻訳機を購入する際は、対応する言語はもちろん、インターネット接続に使う通信方法にも注目したい。どの製品もWi-Fi(無線LAN)には対応しているが、スマートフォンのように携帯電話回線を利用できるかどうかは製品による。Wi-Fiのない場所でも使いたいなら、携帯電話回線を利用できる製品にSIMカードを挿入して使うと便利だ。
オフライン翻訳に対応も
携帯電話回線を使えない製品をWi-Fiのない場所で使いたければ、スマートフォンのテザリング機能を利用すればいい。なお、一部の製品は、ネット接続なしで端末内で翻訳する「オフライン翻訳」にも対応する。
店頭で人気があるのはソースネクスト「ポケトークW」。SIMカードを挿入すれば携帯電話回線を利用でき、74言語に対応する。国内外で2年間使えるSIMカードが付属するモデルは実勢価格が3万2000円前後。
TAKUMI JAPAN「KAZUNA eTalk 5」も携帯電話回線を利用できる製品。73言語に対応し、オフラインでも8言語を翻訳できる。カメラを搭載し、外国語で書かれたレストランのメニューや駅の案内表示などを撮影して翻訳することもできる。国内外で2年間使えるSIMカードが付属するモデルは実勢価格が1万6000円前後。
富士通「arrows hello」はWi-Fiもしくはテザリングで利用する製品。28言語に対応し、オフラインでも3言語を翻訳できる。こちらもカメラを搭載し、撮影した文字も翻訳できる。実勢価格は3万1000円前後。
マウスコンピューターの「TL01」は、わずか63グラムと小型軽量なお手ごろモデル。15言語に対応し、Wi-Fiまたはテザリングで利用する。ディスプレーはないが、会話内容はスマートフォンの専用アプリで確認できる。実勢価格は1万円前後だ。
(ライター 日経PC21 湯浅 英夫)
[日本経済新聞夕刊2019年10月19日付]
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