風邪に抗菌薬は必要なし あなたの処方は大丈夫?

日経トレンディ

【子供の鼻炎 抗ヒスタミン薬】
→「けいれんに注意」
アレルギー性鼻炎などで鼻水が出る子供に処方されがちな抗ヒスタミン薬。催眠作用もあるため、寝付きが良くなると感じる面もあるが、抗ヒスタミン薬は子供のけいれんを誘発するリスクがある他、抗ヒスタミン薬を飲んだことで熱性けいれんの持続時間が長くなるという調査もある。特に熱性けいれんの既往歴がある乳幼児は注意したい。厚生労働省のPMDA重篤副作用疾患別対応マニュアルでも、小児の急性脳症を起こすとして抗ヒスタミン薬などについて注意喚起している。
【気管支ぜんそく テオフィリン】
→「特に子供ではけいれんを起こしやすい」
ぜんそく治療に使われるテオフィリンは、効き目が強い半面、成分が有効である濃度の幅が狭く、副作用としてけいれんを引き起こしやすい。「特に子供に処方されたときは慎重になる。発熱が無いかや熱性けいれんの既往をチェックし、場合によっては他の薬に替えられないかどうかを医師と相談することもある」(イイジマ薬局薬剤師・飯島裕也氏)。
【複数の漢方薬】
→「生薬成分の重複を確認」
複数の漢方薬を処方された際は、生薬成分の重複に注意が必要だ。処方間で重複した成分があると、過剰摂取になってしまう可能性がある。例えば、「甘草」は医療用漢方薬148品目のうち109品目に採用されている。組み合わせによっては、甘草の主成分であるグリチルリチン酸がカリウムの排せつを促すため、取り過ぎると低カリウム血症を招きやすい。その結果、「手足のしびれや慢性疲労など、原因が分からない不定愁訴となることもある」(青島氏)。
【高齢者に降圧剤】
→「転倒などのリスクに気を付ける」
国内の75歳以上の高齢者のうち80%が高血圧に罹患しているといわれる。日本高血圧学会によるガイドラインの降圧目標は、75歳以上の場合140/90mmHg(収縮期/拡張期)未満。降圧剤は血圧を下げることが目的ではなく、高血圧による脳血管障害などを予防するのが本来の目的。「降圧目標をややオーバーした血圧を基準値に下げるために、高齢者に降圧剤を長期にわたって飲ませる必要があるかは疑問」(富家氏)。降圧剤の副作用には目まいやふらつきなどがあり、転倒などのリスクも発生する。
【高齢者に総合感冒薬】
→「特に男性は『尿閉』に注意」
風邪を引いた際に服用する総合感冒薬には何種類もの有効成分が入っているため、なかには自分の症状に不要な成分が含まれている可能性もある。高齢者が注意したいのはプロメタジンやクロルフェニラミンなどの抗ヒスタミン成分。眠気やふらつきだけでなく、それらが持つ抗コリン作用で口渇や頭痛などが起こる恐れもある。特に前立腺肥大の高齢者の場合、尿が出なくなる「尿閉」を起こすことも。「冬場に総合感冒薬を飲んで、『尿が出ない』と夜間外来に駆け込む高齢男性は多い」(北氏)という。
【高齢者に三環系抗うつ薬】
→「抗コリン作用による副作用が出やすい傾向」
うつ病の薬として古くから使用されている、アミトリプチリンなどの三環系抗うつ薬。99年以降、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が登場するまでは、三環系抗うつ薬が代表的なうつ病治療薬の一つだった。三環系抗うつ薬は抗コリン作用が強いため、便秘や口の渇き、排尿困難、眠気などの副作用が出やすい傾向にある。特に高齢者の場合、眠気によるふらつきなどが転倒の原因になったり、排尿障害になったりと、QOL(生活の質)を下げるリスクが多い。

(文 竹下順子)

[日経トレンディ2019年10月号記事を再構成]

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