流れるマグマ、立ち昇る噴煙 生命の営み支える火山

日経ナショナル ジオグラフィック社

2019/10/27
ナショナルジオグラフィック日本版

インドネシア西部のシナブン山。約400年にわたって休止していたが、2010年8月、噴火とともに眠りから覚めた。この一帯は太平洋プレートの境界がずれていることから、世界の活火山の約75%が集まっている(PHOTOGRAPH BY TIBTA PANGIN, ANADOLU AGENCY/GETTY IMAGES)

光り輝いて流れる溶岩から柱のようにそそり立つ噴煙まで、火山ほど地球の圧倒的な力を感じさせるものはない。

火山は世界中の大地と海底に散らばり、いくつもの火山が今も活動している。噴火は大地にクレーターを刻み、山をつくり上げ、流れ出た溶岩はやがて冷えて荒野となる。地表は火山によって形成され、生命を育んできたとも言える。火口から噴出した岩は、やがて肥えた土壌に分解され、世界中で生命の営みを支える。火山の噴火で、地表から「栄養分」が掘り起こされるのだ。だが同時に、火山の爆発は生命の弱さも実感させる。火山には、一回の爆発でも周囲の風景を一変させる力があるからだ。

インドネシアのアナク・クラカタウ山。とても活発な火山で、数年おきに噴火する。1883年、近現代で最も大きな噴火の一つである「クラカタウの噴火」が発生。水没したカルデラも噴火してアナク・クラカタウ山が形成された(PHOTOGRAPH BY STOCKTREK IMAGES, INC./ALAMY)

火山は一つとして同じものがない。ここで紹介した写真は、いずれも火山の強い個性ともいうべき姿をとらえている。溶岩を大量にまき散らす火山もあれば、液状の溶岩が泡立つ火山もある。研究者たちは巨大な火山の「げっぷ、震え、怒り」を調べることで、火山の過去を読み解き、地球の未来の姿を垣間見ようとしている。

次ページでも、地球がもつエネルギーが活火山に現れた姿を、写真で紹介しよう。

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