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窯元やカフェで器を堪能 散策したい焼き物の里10選

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NIKKEI STYLE

窯元を見学したり、器を堪能できるカフェを訪ねたり。秋は焼き物の街を巡るいい季節。街歩きが楽しい焼き物の里を、専門家に聞いた。

1位 有田・伊万里

(佐賀県有田町・伊万里市)720ポイント
日本初の磁器産地 着物で巡る

16世紀末、豊臣秀吉の朝鮮出兵に加わった鍋島直茂が陶工を連れ帰ったのをきっかけに、日本初の磁器の産地となった。乳白色の素地に鮮やかな彩色の「柿右衛門」や精密な文様の「鍋島」などが伊万里の港から世界中に運ばれた。

膨大なコレクションで知られる佐賀県立九州陶磁文化館や柿右衛門窯はJR有田駅が最寄り。JR上有田駅近くの山あいにある有田皿山通り周辺には今右衛門窯、香蘭社、深川製磁など窯元やギャラリーが多い。路地には登り窯に使うレンガを積み、赤土で塗り固めたトンバイ塀が連なり、風情ある街並みを堪能できる。「歩いているだけで楽しめる。陶石を掘り出していた泉山磁石場も見てほしい。おすすめはモダンなホテル・レストラン『arita huis(アリタハウス)』」(高橋俊宏さん)

有田中心部から車で30分の距離にある伊万里市にも見どころがある。「絵に描いたような美しい景観が広がる秘窯の里、大川内山も見逃せない」(ステファン・シャウエッカーさん)。11月20~24日は秋の有田陶磁器まつり。通常非公開の、炎が噴き出す窯に職人がまきを入れる作業の見学や、レンタル着物による街歩きができる。

(1)主な観光地と交通手段 佐賀県立九州陶磁文化館はJR有田駅から徒歩12分(2)情報サイト https://www.arita.jp/(有田観光協会)

2位 小鹿田

(大分県日田市)670ポイント
土つく音、薪燃える音…昔ながら

小鹿田(おんた)焼は江戸中期に幕府直轄の天領だった日田が産地。民芸運動を唱えた柳宗悦が紹介し、広く知られるようになった。「川の流れで土をつく唐臼の音、登り窯の薪が燃える音、文様を付ける飛び鉋(かんな)の音。街を歩くと、焼き物の原点を実感できる」(坂井基樹さん)。昔ながらの工程が間近でみられ、タイムスリップしたような感覚が味わえる。「民芸の精神が受け継がれている地。小鹿田焼の里の登り窯はインスタ映えも抜群!」(山本毅さん)

日田市立小鹿田焼陶芸館で歴史や技法を学び、9軒の窯元を巡り、茶屋の小鹿田焼の器で食事を味わうのが定番コース。12、13日に開く小鹿田焼民陶祭では展示即売やご当地グルメも楽しめる。

(1)小鹿田焼陶芸館はJR日田駅からバス35分(2)https://www.oidehita.com/(日田市観光協会)

3位 益子

(栃木県益子町)610ポイント
若手ギャラリー 外国人の姿も

民芸運動で知られる陶芸家の浜田庄司が暮らした、関東有数の焼き物の産地。近年は若手作家の工房やギャラリー、こだわりのカフェやショップが増え、若者や外国人が来訪。「陶芸に興味があれば外国人でも誰もが知る街。浜田庄司記念益子参考館はぜひ訪れたい。カフェを併設する『スターネット』もおすすめ」(ロバート・イエリンさん)

メインストリートの城内坂通り沿いに陶芸店やカフェが並ぶ。陶芸教室や観光農園でのイチゴ狩り、酒蔵見学などと合わせる人も。11月1~5日は秋の陶器市。「ちょうど気候もよく、散策するにはうってつけ。おしゃれなカフェもあり、また行きたいと思わせる」(西島奈留美さん)。

(1)益子参考館は真岡鉄道益子駅から徒歩35分(2)http://www.mashiko-kankou.org/(益子町観光協会)

4位 丹波

(兵庫県丹波篠山市)510ポイント
デザイン多彩 目を引く蛇窯

窯で燃やす薪の灰と釉薬(ゆうやく)が溶け合う独特の模様「灰被(かぶ)り」で知られる。最近は個性的な器をつくる窯元も増えた。山に囲まれた立杭(たちくい)地区を中心に60軒ほどの窯元が集まり、立ち並ぶ煙突や斜面に長く伸びた蛇窯が目を引く。

立杭陶の郷や兵庫陶芸美術館を推す声も。「美術館には地元食材を使うレストランがあり、デッキから里が見渡せる。窯元巡りは普通の家の裏庭を通るようで楽しい」(森由美さん)。19、20日は丹波焼陶器まつり。丹波栗や黒豆など秋の味覚も人気。

(1)兵庫陶芸美術館はJR相野駅からバス15分(2)https://tourism.sasayama.jp/association/(丹波篠山観光協会)

5位 壺屋・読谷山

(沖縄県那覇市・読谷村)490ポイント
裏路地散策 土の匂い

素朴で力強く、独特な色合いの沖縄の焼き物、やちむんのファンは多い。17世紀後半、首里王府が3つの窯場を統合してできた産地が壺屋だ。壺屋やちむん通りに焼き物の店が軒を連ね、路地に入れば工房が並ぶ。

市街地にある壺屋で薪を燃料に使いにくくなり、窯元の一部が読谷村に移転した。「壺屋を巡るのは楽しく、裏路地も散策したい。読谷は薪窯を使う窯元が多く、土の匂いがする」(永峰美佳さん)。11月22~24日は壺屋陶器まつり。陶工が技を競う「カーミスーブ」は必見。

(1)那覇市立壺屋焼物博物館はゆいレール牧志駅から徒歩10分(2)https://tsuboya-yachimundori.com/(壺屋やちむん通り会)

6位 備前

(岡山県備前市)470ポイント
土壁が残る街並み

土そのものの味わいが伝わる器として茶人に好まれ、茶道具としても知られるようになった。「ぬらして使えば料理も映える使いやすい器。工房が並ぶ伊部の通りを歩くのがおすすめ」(後藤加寿子さん)。JR伊部駅の駅舎で備前焼伝統産業会館を見た後、駅前の備前市立備前焼ミュージアム、街道沿いに並ぶギャラリーを巡り、土壁が一部残る街並みを散策するのも楽しい。

山あいに往年の窯跡がある。多くの愛好家でにぎわう備前焼まつりは19、20日。18日は前夜祭でたいまつを手に練り歩く「かべりだいまつ」も。

(1)備前焼ミュージアムはJR伊部駅下車(2)http://bizen-kanko.com/(備前観光協会)

7位 常滑

(愛知県常滑市)410ポイント
土管やレンガ 歴史ある風景

「土管やレンガといった日本の風景をつくりあげてきたといっていい歴史ある焼き物の産地。赤土の器から感じ取れる社会背景も面白い」(神藤秀人さん)。急須の生産でも知られる。常滑市陶磁器会館を起点にした「やきもの散歩道」を歩くと、煙突や窯、焼き損じた土管を再利用した土管坂など独特の雰囲気を味わえる。

若い作家のギャラリーやカフェも点在。足をのばして、「INAXライブミュージアム」で焼き物や世界中のタイルの展示を見たり、「とこなめ陶の森」を散策したりもおすすめ。

(1)陶磁器会館は名鉄常滑駅から徒歩5分(2)https://www.tokoname-kankou.net/(とこなめ観光協会)

8位 信楽

(滋賀県甲賀市)360ポイント
タヌキの置物、だけじゃない

独特の緋(ひ)色やざらざらした手触りが特徴だ。窯元が集まる長野エリアにはギャラリー・カフェや焼き物を求めて訪れた、文人ゆかりの飲食店や宿が残る。「タヌキの置物で有名なやきものですが、個人的には鮮やかな青の器を探すのも楽しみ」(石井華子さん)。ボランティアガイドの案内で散策できるのも魅力。中心部から離れるが、「ミホミュージアム」を推す声もあった。

NHK連続テレビ小説の舞台で注目を集めそう。12~14日の信楽陶器まつり大即売会は台風のため中止。

(1)甲賀市信楽伝統産業会館は信楽高原鉄道信楽駅から徒歩10分(2)http://www.e-shigaraki.org/(信楽町観光協会)

9位 九谷

(石川県加賀・金沢・小松・能美市)330ポイント
作り手の技あふれる

鮮やかな色彩や優美な絵模様が魅力。17世紀半ばに良質な磁器の原料がみつかり、有田の製陶技術を持ち込んだのが始まりだ。幕末に名工、九谷庄三が出て海外にも知れ渡った。工芸品を扱う店やギャラリーは金沢市内に集まるが、工房は加賀・小松・能美各市に多い。

春は九谷茶碗(ちゃわん)まつり、秋は九谷陶芸村まつりでにぎわう。「一口に九谷焼といっても、作り手の特徴が異なるのが魅力。様々な技があふれている」(赤瀬浩成さん)。

(1)九谷陶芸村はJR能美根上駅からバス30分(2)https://www.city.nomi.ishikawa.jp/www/contents/1554432056038/index.html(能美市、九谷陶芸村の紹介)

10位 萩

(山口県萩市)320ポイント
城下町の風情も楽しむ

独特の柔らかな風合いで、使い込むほどに趣のある味わいを醸し出す。秀吉の朝鮮出兵を受けて毛利輝元が命じ、現地の陶工を連れ帰ったのが起源。「幕末の舞台のひとつでもある城下町の風情も楽しめる。山口県立萩美術館の個性的な展示も見どころ」(野田耕一さん)。

武家屋敷の残る街並みが魅力だ。美術館がある城下町周辺のほか、萩焼資料館や萩城跡が残る堀内エリアなど、市内各地に窯元やギャラリーがある。11~14日には萩・田町萩焼まつりが開かれる。

(1)萩美術館・浦上記念館はJR萩駅からバス30分(2)http://www.hagishi.com/(萩市観光協会)

好みの作家見つけ交流も

食器や花器など、暮らしに溶け込む焼き物。経済産業相が指定する「伝統的工芸品」では陶磁器が32種類あり、産地は西日本を中心に全国に広がっている。器自体の魅力はもちろん、どこか懐かしさを感じる産地の雰囲気に引かれる人も多い。

ランキングには歴史ある産地が並んだが、有田や益子を含め、新たな挑戦を続けているところが目立つ。若手が従来の技法や産地の枠を超えた器づくりに取り組んだり、ジャンルの違う工芸や料理との連携を模索したり。専門家からは「お気に入りの作家を見つけて、訪れて交流する楽しさを味わってほしい」という声が複数寄せられた。産地間で連携する動きもある。常滑、信楽、丹波、備前を含む「日本六古窯」は陶器の産地として歴史や特色が評価され、文化庁が日本遺産に認定。情報発信で協力し合う。

窯元はギャラリーや販売所を持たず、仕事場を公開していない場合や、完全予約制もある。確認して訪ねたい。

イベントの情報は10日正午時点

ランキングの見方

数字は専門家の評価を集計した点数。焼き物の産地の主な所在地。(1)主な観光・見学スポットと交通手段(2)観光協会などのサイトのURL。写真は4位丹波篠山市、5位壺屋焼物博物館、ほかは情報サイトを運営する観光協会など提供。

調査の方法

全国の焼き物の産地から専門家の助言をもとに街歩きが楽しめる25カ所を選出。「歩いて回るのが楽しい」「焼き物の歴史を学ぶほか、作品を見られる場や機会が豊富」「器にこだわった食や体験スポットが充実」といった観点から、専門家13人におすすめ順に順位付けを依頼。編集部で集計した。(河野俊)

今週の専門家

▽赤瀬浩成(メイド・イン・ジャパン・プロジェクト社長)▽ロバート・イエリン(やきものギャラリーオーナー)▽石井華子(クラブツーリズム)▽後藤加寿子(料理研究家)▽坂井基樹(日本陶磁協会事務局長)▽ステファン・シャウエッカー(「ジャパンガイド」編集長)▽神藤秀人(「ディデザイントラベル」編集長)▽高橋俊宏(「ディスカバー・ジャパン」統括編集長)▽永峰美佳(「やきものの里めぐり」著者)▽西島奈留美(サイト「陶器市へ行こう!」運営)▽野田耕一(季刊「陶工房」監修)▽森由美(陶磁研究家)▽山本毅(「和樂(わらく)」ライター)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2019年10月12日付]

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