メーンの筆記具にしたい快適さ 個性派サインペン続々納富廉邦のステーショナリー進化形

サインペンに個性的な製品が次々と登場している
サインペンに個性的な製品が次々と登場している

水性インクを使用した柔らかでなめらかな書き心地が魅力のサインペンだが、個性的で、独自の魅力を持った新製品が登場しているという。長年文具を見続けてきた納富廉邦氏が解説する。

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最近、次々に登場しているサインペンの新製品を使ってみると、製品として新しい魅力があるのはもちろんだが、サインペンという筆記具が、もともと、かなり良くできた、書きやすい筆記具だったことを再認識する。思い出してみれば、中学生の頃、何に書くのもサインペンだった時期があった。また、筆者の周囲の文房具好きには、サインペン愛好家が多かったりもする。

軽い筆記感で、サラサラと書けて、クッキリしたハイコントラストの線は見やすく、黒の発色も良いから、普通のメモとしても書いていて気持ち良いし、目も楽だし、疲れない。しかも、鮮やかに発色する豊富な色数で、修正箇所の指摘や文章の強調といったノートやメモでの用途はもちろん、イラストを描いたりインデックスを色分けしたりといった用途まで、幅広く使うことができる。

筆記具の構造としても、鉛筆、万年筆、ボールペン、サインペンの4種類が、大きく分けたときの分類になる。パーカーの「インジェニュイティ」が自らを「第五の筆記具」と称したのも、この4つの筆記具のどれでもない新しい構造のペン先であるという主張だった。そして、その新しいペン先に最も近い構造だったのがサインペンだったというのも、サインペンのペン先が持つポテンシャルの高さを証明しているのではないだろうか。

筆記具として優れたポテンシャルを持ったサインペンを、この機会に見直してもらうべく、最近のサインペンの中から、3つを選んで紹介したい。サインペンの何よりの魅力の一つは安価であることで、実際に買って使ってみるのも簡単。最近、使っていなかったという人も、ぜひ手に取って実際に書いてみてほしい。

ゼブラ「クリッカート」/手軽なノック式

ゼブラ「クリッカート」1本100円+税。全36色。線幅0.6ミリ。水性サインペンでは珍しいノック式で、普段使いの筆記具としても使いやすい

ゼブラのクリッカートが画期的なのは、サインペンなのにノック式だということ。これまでのサインペンは基本的にキャップ式だった。ペン先にシャッターのようなものが付いて、密閉した状態からのノック式という製品はあったけれど、そういう大仰なものではなく、普通のノック式ボールペンのような手軽さで使えるのが、この製品の画期的なところだ。

シャッターなどで密閉されているスタイルではない、普通のノック式を可能にしたのは、空気中の水分を吸収する「モイストキープインク」によるもの。約1年はペン先が乾かない

空気中の水分を吸収することでペン先の乾燥を防ぐ新開発の「モイストキープインク」を採用。約50週間、つまり1年近くはペン先が乾燥せずに、書き続けられるという。サインペンはインクの消耗が早いから、普通に使えば、インクを使い切るほうが先になるのではないだろうか。

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