2019/10/11

学歴格差、再び?

一方で、このようにアクティブに動ける学生ばかりではない。リファラル採用を望まない学生が、その理由として挙げたのは「人脈の広い学生が有利になりそう」(72.8%)という点が最も多かった。「高学歴な学生が有利になりそう」(40.2%)が次に多く、学生の間で格差が広がることを懸念する傾向があった。

「最近はサークルや部活に入っていない学生も多い。リファラル採用が増えれば、企業と接点のない学生はインターンばかりしなければならなくなる。そうすると勉学に差し支えが出てしまう」とハナマルキャリア総合研究所(東京・渋谷)の上田晶美代表は指摘する。

学生が不安に思う背景について、立教大学キャリアセンターの林良知氏は「通年採用やリファラル採用などは、企業が何をやっているのかよくわからないという不安が大きいのではないか。例えばインターンは採用直結なのか、そこから何人採ろうとしているのか、どういう基準で選んでいるのかなど。根幹の問題は、企業の採用情報があまり透明化されていないということだろう」と分析する。

リクナビが立ち上がってから約20年。ネットで簡単に閲覧・応募できるという仕組みによって、企業の情報はある程度オープンになり、“平等”な就活に貢献したと言えるだろう。しかし日本型の雇用システムが変わろうとする大きな動きのなかで、企業の採用活動は複雑化し、それらは学生の目からは見えにくいものになりつつある。

「企業と学生が対等でないことがよくわかった」――。リクナビ問題の感想について、このように捉える学生もいた。情報の非対称性をそのままにして採用方式だけを変えれば、待ち構えているのは「超格差社会」かもしれない。学生はその不安を敏感にかぎ取っている。

(安田亜紀代)

<調査の概要>
 就職情報サイト利用調査は、日本経済新聞社がネット調査会社マイボイスコム(東京・千代田)を通じて全国の大学生3、4年生に9月中旬に実施。有効回答数は400。3年生163人、4年生237人。男性179人、女性221人。文系286人、理系114人。
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