夏帆×シム・ウンギョン 等身大の自分で勝負したい恋する映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』

等身大でありのままの自分で勝負できる役と巡り合えた

――夏帆さんは「いま一番やりたかった役とやっと巡り合えた」と感じたそうですが、この役に魅力を感じた理由を教えてください。

夏帆:最初から面白そうな役だから絶対にやりたいと思っていましたが、撮影をしていくうちに「私はこういう役をやりたかったんだな」ということに気が付きました。理由としては、すごく等身大で、ありのままの自分で勝負できる役だと思ったから。そういう役にはなかなか巡り合えないものなんですよね。砂田の人生は決して劇的ではないですが、人には言わないような小さな葛藤や日々感じている寂しさ、そして孤独を抱えていて、そういう感情を表現したいなと思いました。

――日本語が上手なシムさんですが、清浦は独特なしゃべり方なので大変だったと思います。演じるうえで苦労したことはありませんでしたか?

シム:いえいえ、まだまだ日本語には悩んでいます。撮影をしていた時期は、ちょうど正しい日本語を習っていたときでした。でも、清浦の話し方は「いっすね」みたいに崩したり、省略したりするような日本語のセリフが多かったので、最初は難しかったです。「『あざっす』って何ですか?」みたいな感じで(笑)。でも、その話し方は大事にしたいと思っていました。ただ、いまでもその癖が抜けなくて、打ち合わせや取材のときに「そっすね」と言ってしまうこともあります(笑)。

――日本の撮影現場を経験してみて、韓国との違いを感じたのはどんなところですか?

シム:特に違うのは、撮影の期間。韓国では多くの作品が1本につき3~4カ月くらいかかりますが、日本はインディーズの製作も多いので、それぞれ撮影期間がかなり違いますよね。今回はなんと2週間ほどで撮りましたが、これほどの短期間で映画を撮った経験がそれまでなかったので、撮影前はちゃんと役に入れるか不安もありました。ただ、それは余計な心配だったなと思うくらい本当に楽しかったですし、やろうと思えばできるものなんですよね。あとは、自分の集中力を全部出してお芝居ができるような雰囲気を監督がつくってくださったのも大きかったと思います。初日はいつもすごく緊張してしまうものですが、アドリブも悩まずにできるくらい自由な環境にしていただいたので、いろんなお芝居ができる現場でした。

現場で大事にしているのはマインドコントロール

――おふたりとも子役からお仕事を始められているので、すでにキャリアも長いですが、仕事をするうえで大事にしていることはありますか? 

夏帆:心の持ちようとか、どういうふうに現場にいようというのは、作品によっても違いますし、作品ごとに変えていくべきだとも思っています。

シム:私は緊張しやすいタイプなので、マインドコントロールを大切にしています。そうやってコントロールしないと、自分が考えているお芝居をうまくできなかったりするので、気持ちを楽にすることは一番に考えていることです。

(C)2019「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会

夏帆:あとは、ひとりで何かを作る仕事ではないので、周りに心を開くようにしています。というのも、私は気が付くと閉鎖的になってしまうところがあるので、誰かと物を作るうえでは、「相手に一回、心を開いてみる」というのは意識していることです。

――では、女優として、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか? 

シム:私は役に夢中になれたときに、この仕事が楽しいなと感じています。お芝居というのは、経験を重ねるごとに難しくなっていくし、いままでもよくわからないことが多いので、勉強し続けないといけないですが、やっぱり現場で役にはまる瞬間は満足感がありますね。それを味わうために、役者を続けているんだと思います。

夏帆:私も現場で役と一体になれたときは、楽しいですね。そのほかにも、本当にいろんな瞬間がありますが、たとえば、作品が出来上がったときやいい作品になったと実感したときに、やりがいを感じています。

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