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日本ワイン戦国時代 最高評価は島根、岩手など新顔もエンジョイ・ワイン(17)

甲州部門の部門最高賞を受賞した島根ワイナリーの「縁結」(中央)

甲州部門の部門最高賞を獲得したのは、一般にはほぼ無名の、島根県出雲市にある「島根ワイナリー」だった。受賞銘柄は「島根わいん 縁結(えんむすび)甲州2018」。試飲してみると、果実の香りが豊かでボディーもしっかりあり、たしかに部門最高賞を取っても不思議ではない味わいだ。ついでに言うと、販売価格1674円(税込み、9月1日時点)のこのワインは各部門の銀賞以上をとった小売価格2000円未満のワインの中で最高得点のワインに与えられる「コストパフォーマンス賞」も受賞している。

なぜ、ワイン産地としてはほぼ無名の島根でこんなにおいしいワインができるのか。ブドウの栽培は気候が大きく影響するが、降水量が多く日照時間が短い島根はワイン造りに適した気候とは言えない。同ワイナリーで醸造を担当する堀江博己さんに会場で聞くと、「原料ブドウは県内の契約農家から仕入れているが、収穫日をギリギリまで遅らせるなど、契約農家に全面的に協力してもらっていることが要因の1つ」との答えが返ってきた。

加えて、「島根の土壌は砂が多く、水はけが非常によいという点は、良質のブドウができる要素」と堀江さんは話す。自身も独学や研修会に参加するなどして、高品質のワインを造る技術を勉強してきたという。

堀江さんによると、島根ワイナリーはかつてはもっぱら観光客向けの甘口ワインを造っていたが、日本ワイン・ブームに触発され、高品質ワインの製造に本格的に取り組み始めた。そこからわずか数年で山梨県産のワインを抑えて部門最高賞を受賞したことは、まさに「下克上」と言える出来事だ。

国税庁の調べによると、18年3月時点のワイナリーの数は過去最高の303軒。2年間で23軒(約8%)も増えた。中でも、26軒から35軒へと35%も増えた北海道や、18年3月末までの1年間で6軒から9軒に増加した岩手県など、必ずしも高級ワイン産地のイメージのなかった地域の伸長が目立つ。数が増えているだけでなく、ワインに対する評価も上々だ。

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