加えて、タイを裏返すと、唐辛子やハートのチャームがチラ!なのも、こちらのブランドならではの遊び心。唐辛子はイタリアでは魔よけの意味もあるラッキーチャーム。ハートモチーフは愛情や幸福の象徴。こんなモチーフでちょっと縁起担ぎ、も気分を後押ししてくれます。女性にとっても、こんなおちゃめな仕掛けはウエルカム。「……まあ」という美女の満面のほほ笑みもゲットできます。
■エスコートも万全 ドレスアップなセッテピエゲ
別名「帝国ピエゲ」もしくは「オークラピエゲ」などど名付けたいほど、ホテルなど優雅な空間に似合うのがアンジェロ・フスコ。光沢感のある生地と、やや太めの大剣の幅などから生まれるディンプルの立体的なドレープは、実にエレガントでドレッシー。ドレスアップした女性の側に立っても、バランス映えがするので一本持っておけば、ここぞの場面でエスコート役の面目躍如はかなりのもの。
自身もおしゃれ好きであるベルルスコーニ伊首相が2001年のG8で各国の代表に、このネクタイを送ったとことで、世界的に認知度が高いブランドになりましたが、採算度外視の生産背景は変わらず、そこが独特のラグジュアリーな印象を生むのでしょう。ネクタイ界のタキシードは、ぱっと締めれば女性が手を委ねる、オーラ満載。その御利益、さ、堪能いたしましょう。
メンズのタイの中でも別格のネクタイとして名高いセッテピエゲですが、実はこの柔らかい立体感が、壮年の男性のやや緩んだ顔のラインにメリハリを与える効果もかなりのもの。お疲れ顔も絵にしてしまうのも、そう、このセッテピエゲの魔力。クラシック回帰がトレンドでもある今季は、セッテピエゲにトライするのに絶好の好機です。魅惑のVゾーンで人生をさらに豊かにしてくださいませ。

ファッションディレクター。大学卒業後、銀座和光を経て、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)入社。25ans(ヴァンサンカン)編集部で活躍後フリーとなり、ラグジュアリーなスタイルを得意とするスタイリストに。男性向けスタイリングの提案、商品企画も手がける。
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SUITS OF THE YEAR 2021
アフターコロナを見据え、チャレンジ精神に富んだ7人を表彰。情熱と創意工夫、明るく前向きに物事に取り組む姿勢が、スーツスタイルを一層引き立てる。