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約2100人が学ぶ開成。向陵稲荷坂をはさんで中学校舎(左)と高校校舎が向き合うように立つ

約2100人が学ぶ開成。向陵稲荷坂をはさんで中学校舎(左)と高校校舎が向き合うように立つ

授業やカリキュラムだけでは測れない進学校の強さに、教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が迫るこのシリーズ。開成中学校・高等学校編の最後である今回は、創立150周年記念の新校舎建築事業に見えた「未来」、そして東京大学の合格者数のランキングトップの座を固めるに至った「歴史」を取り上げる。

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東京五輪のせいで遅延

開成は2021年に創立150周年を迎える。その記念事業として、新校舎の建設が進んでいる。コンセプトは「開成の未来を創る」。当初は21年の竣工をめざしていたが、東京五輪・パラリンピックに伴う建築費の高騰などで予定変更を余儀なくされた。すべての工事が終わるのは2024年になる。

16年には、すでに第2グラウンドを人工芝に変えている。第2といっても、これがメーンの運動場であり、名物の運動会の舞台でもある。このグラウンドに新校舎を建てるという案も一応は検討したが、たとえ1年であっても運動会が開催できなくなるのはあり得ないとして早々に消えた。

現在、正門は閉鎖されている。入ってすぐ右手にある体育館を解体し、跡地に大体育館と高校の普通教室や理科教室を配する6階建ての「A棟」を建てるためだ。高校校舎と中学校舎を隔てる向陵稲荷坂に沿って全面ガラス張りの学生ホールも設ける。そこが生徒活動の中心になるという。

A棟での生活は、21年9月に始まる予定だ。その後、工事は高校の旧校舎解体へと続いていく。現在の中2生は、高1の2学期に新校舎に引っ越すことになる。

開成は1871年、東京・神田の地に誕生した。後に総理大臣となる高橋是清が初代校長を務めたのは有名だが、創立者は佐野鼎(かなえ)という。29年に駿河国(静岡県)に生まれ、加賀藩で活躍した洋式兵学のテクノクラート(技術官僚)だ。当初の名前は「共立(きょうりゅう)学校」で、72年の記録によれば女子生徒も10人おり、英語はネイティブが教えていたようだ。

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