あなたの筋肉貯金残高は? 判定テストでチェック
「筋肉は裏切らない」。こんな決めぜりふでお茶の間やネットを沸かせたNHKの体操番組「みんなで筋肉体操」。そこで筋トレ指導を担当した近畿大学生物理工学部准教授の谷本道哉氏が勧めるのが、「筋肉貯金」だ。
筋肉量は部位によっては20代から減り始め、60歳を超えると減少は一気に加速する。「たとえ今、筋肉不足を感じていない人でもいずれ衰えは来る。今のうちに筋トレを始め、筋肉の"貯金"を増やしておくことが将来にわたって動ける体をつくるカギ」と谷本氏は言う。
そこで気になるのが、自分はどれだけ貯金があるのか。今回は、谷本氏に自己診断できる方法を聞いた。それが「筋肉貯金残高判定テスト」だ。
このテストは、日本整形外科学会によるロコモティブシンドローム(運動器症候群)の段階を判定する「ロコモ度テスト」に準じて谷本氏がアレンジしたもの。3つの簡単なワークで構成されている。
まずチャレンジするのが「標準テスト」。以下で紹介するので、やってみよう。
座面の高さが40cm程度の椅子から片脚で立ち上がり、そのまま3秒キープするシンプルなワークだ。しっかり前傾して立つ方の足に体重を完全に乗せるのがポイント。左右両脚ともできれば、「60代男女標準レベル」はクリア。さらに難易度の高い「レベルアップテスト」に進む。
レベルアップテストは、しゃがんで壁に手をつき、片側の脚を浮かせたところからスタート。強く前傾してから、真っすぐ立ち上がる。標準テストも同じだが、腕の反動や勢いを使ってごまかさないことが重要だ。ここまでクリアできれば、筋力は「20代男性の標準レベル」で、「貯金が十分にある状態」(谷本氏)といえる。筋トレを継続し、残高をキープしたい。
「標準以上、レベルアップ未満」の人も多いのが実情だが、残高が十分とはいえない。さらに、運動習慣がない30~50代では、標準テストをクリアできない人もいる。かなり貯金が目減りしている状況だ。できる範囲で少しずつでも筋トレにチャレンジし、筋肉を取り戻していきたい。
次回記事では、谷本氏直伝の「筋肉貯金を最短でつくる筋トレ術」を紹介する。シンプルな3種の筋トレを1日合計5分、週2~3回ほど行うだけで貯金がたまる超効率メソッドだ。
近畿大学生物理工学部准教授。1972年、静岡県生まれ。大手建設コンサルタント会社を退社後、東京大学大学院に入学。順天堂大学などで博士研究員を務め、2013年から現職。『みんなで筋肉体操語録~あと5秒しかできません!』(日経BP)など著書多数。
[日経トレンディ2019年7月号記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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