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デジタル・フラッシュ

盛り上がるゲーミングPC ライトユーザー向け製品も 大河原克行のデータで見るファクト

2019/9/10

■「見るだけ」のゲーマーも

調査会社のNEWZOOは、ゲーマーのカテゴリーを8つに細分化した。従来は、プロゲーマー、コアゲーマー、カジュアルゲーマーといった分類が用いられてきたが、NEWZOOでは、「そうした過去の分類では、ゲーマーのすべてを捉えることができない」として、新たなカテゴリーを示してみせた。

NEWZOOによるゲーマーの8分類

これは、言い換えれば、ゲーミングPC市場の広がりを示すものだといえる。

NEWZOOが分類したのは、「アルティメットゲーマー」、「オールラウンドエンスージアスト」、「クラウドゲーマー」、「コンベンショナルプレーヤー」、「ハードウェアエンスージアスト」、「ポップコーンゲーマー」、「バックシートビューアー」、「タイムフィラー」の8つである。

全体の13%を占める「アルティメットゲーマー」は、時間や費用を、できる限りゲームに費やすユーザーであり、ゲームを自らのDNAとする人たちを指す。プロゲーマーもここに含まれる。

「オールラウンドエンスージアスト」は全体の9%を占め、あらゆるゲームに興味を持ち、自ら遊ぶことや人のプレーを見ることなどのゲームに関わるすべてを楽しむ人たちだ。コアゲーマーと呼ばれる人たちが中心になる。

19%を占める「クラウドゲーマー」は、高い品質のゲームを楽しむ一方で、無料で提供されるタイトル、割引で利用できるタイトルなどを好む傾向があり、必要な場合には、ハードウエアに投資をするというユーザーだ。

従来型のゲーマーを指す「コンベンショナルプレーヤー」は、全体の4%にとどまり、最も比率が少ない。多くのハードウエアを所有し、自分だけでプレーすることを好み、他人がプレーしているのを見るのは好まないという人たちだ。

そして、常にハードウエアの最新ニュースとトレンドを追っている「ハードウエアエンスージアスト」は、全体の9%を占め、仕事や遊びも、最適化された体験を求めているという。また、13%を占める「ポップコーンゲーマー」は、自分でゲームをプレーすることは好まないが、他の人のプレーを見ることを楽しむ層であり、これまでにはない新たなゲームユーザーの形だといえる。

6%の構成比を持つ「バックシートビューアー」は、かつてはゲームをよくプレーした経験があり、eスポーツイベントなどの他人のプレイを見て、過去のゲームに対する情熱が再燃する人たちだ。

最も構成比が高いのが、27%を占める「タイムフィラー」。暇なときにゲームをプレーしたり、モバイルゲームをプレーすることが好きなユーザーを指す。

ゲームをプレーする様々なユーザーカテゴリーに加えて、ゲームを見るユーザーもゲーム愛好家のひとつにカテゴライズされており、それらがゲーム市場を構成しているのだ。

NEWZOOの調査では、全世界に10億人以上の女性ゲーム愛好家がおり、ゲーム愛好家全体の46%が女性という結果も発表されている。

同社では、「過去10年間で、ハードウエアの最新の革新を楽しむだけでなく、見る、遊ぶなどの総合的なエンターテインメントに進化してきた。これによって、個人がゲームを楽しむ方法の多様性につながっている」と、女性のゲーム愛好家が増加している理由を説明している。

さらに、男女ともに幅広い年齢層が偏りなく、パソコンでのゲームを楽しんでいる傾向もあり、まさに老若男女に広がっている。

■一般向けとゲーム向けのハイブリッドパソコンも

ゲームユーザーの拡大に伴って、ゲーミングPC自体も変わってきそうだ。分散化したゲーマーのために、それぞれに最適化した製品づくりが進められることになるからだ。

たとえば、レノボ・ジャパンのIdeaPad L340 Gamingは、一般的なパソコンとしての用途をメインとしながらも、あわせてゲームもできるパソコンを買いたいというニーズを獲得。「これは、日本のゲーミングPC市場独自のニーズといえる動き」と分析している。日本HPでも、Pavilion Gamingという製品を用意しており、「手軽にゲームをやってみたいというニーズのほか、高性能なパソコンが欲しいという理由で購入するケースが増えている」とする。

レノボ・ジャパンではLEGION、日本HPではOMENというゲーミングPC専用ブランドを用意しているが、それとは別にライトゲーマー向けの製品を品揃えしている格好だ。

また、ゲームプレーを実況中継する「ストリーマー」と呼ぶ人や、それを視聴するユーザーを意識した製品もこれから増えることになりそうだ。プレイするゲーマーだけでなく、伝える人、見る人にもゲーマーの幅が拡大しており、パソコンメーカーにとっては、そうしたユーザー層も狙い目となっている。

自分は、どんな形でゲームに関わっていくのかというスタイルをもとに、ゲーミングPCを選択する時代がこれからやってきそうだ。購入する人たちにとっても、選択肢が増えることは楽しさの広がりにつながる。また、これまでのパソコンにはないデザイン性を持ったパソコンが登場するきっかけになりそうだ。ちなみに、BCNの調査によると、ゲーミングPCを購入したい理由として、「パソコンゲームのみをより快適にプレーしたい」という人は約2割。それに対して、「パソコンゲームもプレーできるし、他の様々な用途にも応用して使うことができる」が6割強となっているほか、「パソコンゲーム用には使わないが、それ以外の用途に使うことに適している」との回答が約15%に達している。

高性能パソコンを手軽に購入できるというのもゲーミングPCの魅力のひとつ。ゲーマーに限らずパソコンを使う人たちは、これからどんなゲーミングPCが登場するのかに注目しておくのがいいだろう。

(ライター 大河原克行)

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