アルペンの女性管理職急増 ママ社員の「ジョカツ」

日経DUAL

20代のうちからキャリアを考える仕組みを作る

そうした問題点を見つけてから、まず取り組んだのが管理職の意識改革だ。部下の生活にも配慮できる上司「イクボス」をテーマとしたセミナーを開くとともに、女性社員との座談会を全国で実施した。また、女性社員に対しては「ジョカツフォーラム」を開催し、働き方、キャリア形成についての啓蒙活動を進めた。

早期キャリア形成を支援するため、16年から25~35歳の女性を対象に「両立支援カフェ」を始めた。ティータイムも入れたカフェのような空間で、同年代や子育て中の女性が集い、仕事と家庭の両立に関する情報交換を行う会だ。

「両立支援カフェは、同年代の女性社員が集まり、ロールモデルの紹介や制度、働き方について話し、横のつながりを作ります。参加年齢は25~35に設定して、1年に1、2回、将来のキャリアについて考える機会を設けました。20代後半になる前から、自分の人生のちょっと先を見たときにどんな制度があるのか、先輩たちがどう働いているのかを理解してもらうことが目的です。何回も開催して、対象者は一巡し、今後はこれから25歳になるタイミングの女性社員を対象に実施予定です」

さらに、他社で活躍されている女性をゲストで招くなど、参加者の年齢に応じたさまざまなプログラムを開催。社内ネットワークを広げ、ライフイベントをふまえたキャリアビジョンを描くきっかけとなっている。

リーダーとなる女性育成プログラム

今は、キャリアを高めるための「ダイヤモンドプログラム」に注力をしている。「『あなたは磨けば光る原石なんだよ』ということをメッセージとして伝えています。店長候補やマネジャー、管理職候補の女性に対して、1回25人前後が参加する形で開催しています。先輩リーダーからのメッセージや、ケーススタディ、ディスカッションを交えながら、自分の強みはなにか、高めていくためにどうすればいいのかを、ディスカッションなどを交えつつ考える場としています」

同社は女性管理職を20年には15年に対して10倍以上に増やす目標を掲げていて、現在はプロジェクト開始前より管理職7人、店長が22人増加した 。

そうした女性社員のマインドを高めつつ、社内の制度も整備。菊池さん自身が、妊娠~復職でどういう申請をどこにすればいいのか戸惑った経験から、ライフイベントに関わる制度の内容や申請方法などをわかりやすく解説したガイド『ライフサポートnavi』をまとめた。そして、育休延長期間の拡大・積立有給休暇の適用を拡大。結婚、出産、育児、介護などのライフイベントを理由に退職した人が再び活躍できるジョブ・リターン制度の新設など制度改定にも関わった。子育てなどと両立できるように、時間単位年休の導入、時差出勤制度の導入を実施など、育児・介護のサポートの充実も進める。

店舗でも女性の働きやすさを追求した。店舗ではアルバイトを含めると半数が女性で、妊娠中の場合、既存のユニホームでは働きにくいという問題があったが、働くママ社員の意見を盛り込み、機能にこだわった妊婦用のオリジナルエプロンを作成。現場では「軽くて動きやすい」など好評だという。

菊池さんは女性の活躍をさらに後押しできるよう、昨年4月にキャリアコンサルタントの国家資格を取得した。「キャリアコンサルタントで学んだことを『ジョカツ』にも生かしていきたいですね。社内のいろいろな相談に乗って、さらに個人のキャリア育成にきめ細かく関わっていければと思っています」

(取材・文 日経DUAL編集部=羽田 光)

[日経DUAL 2019年4月1日付の掲載記事を基に再構成]