月1万円で家事をプロにお願い 時間節約、自分も磨く
家事のプロに依頼し、料理や掃除は「自分でやらない」選択をする人たちがいる。代行料金は月1万円程度。払えなくはないけれど、決して安くもない。でも家事を代行してもらっている間に子どもと遊ぶ時間を作ったり、掃除から解放された週末は自分磨きの時間にあてたりすることもできる。お金で買える時間節約術を聞いた。
【ケース1】「月1回料理を頼む」が7800円の価値がある理由
家事や育児の「罪悪感」が一掃されて、心が軽くなった
仕事と家事・育児を両立する佐々木祐子さんが、料理代行を導入したのは、今年1月。「第2子を妊娠中。つわりで料理ができず、スーパーの総菜でしのいでいましたが、1歳半になる子供の栄養バランスを考え、利用を決意しました」。
月1回、1週間分の作り置きを利用。「その週は、通勤電車で夕食の献立に悩むことから解放されます。作り置きで冷蔵庫の残り物を使い切ってもらえるので、食材のムダもなくなりました」と佐々木さん。
【使っているサービス】タスカジ https://taskaji.jp
家事代行したい人と家事を頼みたい人とのマッチングサイト。1時間1500円からというリーズナブルな価格設定が人気。サイト上にプロフィルを公開する「タスカジさん」を自分で選び、1回3時間で依頼。
1週間+αの作り置きが心の安定剤に
家族3人の1週間分の夕食を作り置きしてもらう。「3割は冷凍保存し、2週目以降、どうしても忙しいときに活用します。冷凍庫にあるだけで心の安定剤に」。
この日のメニューは、鶏肉と野菜のトマト煮、ナスの肉巻き、豚のしょうが焼き、キッシュ、豚汁など、全15品。「前回作ってもらって、子供に大好評だったカボチャのサラダをリクエスト。スコーンは、子供の補食用に、必ず作ってもらいます」。
アイデアを学んで家事の手際がアップ
「akiさん自身、子育て中の働くママ。経験で身に付けた料理のコツや時短のノウハウは、勉強になります。作業中もマメに話しかけて、いろいろなアドバイスをもらいます」
収納の見直しアドバイスを受け家が大好きに
過去2回は、台所と収納棚、玄関周りの収納アドバイスを3時間ずつ、追加で依頼。「特にキッチンは、本当に使いやすくなって、料理も皿洗いも楽しくなりました」。
【ケース2】「月2回掃除を頼む」が1万円の価値がある理由
部屋の片づけで忙殺されていた休日午前中が「自分の時間」に
東京都内でひとり暮らしをする横田加奈子さんが、掃除代行を利用し始めたのは4年前。「平日は残業続き。たまった家事を片づけることで週末がつぶれてしまうのが嫌で、掃除を頼むことに」。
現在は、隔週で土曜日の午前中に利用。「プロに掃除してもらうことでベースが整うので、平日は簡単に片づけるだけで部屋をきれいに保てます。2時間で終わる程度にざっくりと、クローゼットの整理、床と水回りの掃除をお願いしています」。
【使っているサービス】CaSy https://casy.co.jp
1時間2190円~。当日3時間前までスマホで予約できる手軽さが人気の家事代行サービス。キッチンや風呂、トイレなどの水回りはもちろん、収納や片づけにも臨機応変に対処してくれる。
苦手な水回りを頼み、ストレスから解放
自分では行き届かない水回りを中心に依頼。「パーツも外して掃除してくれるので、いつも清潔。お風呂を洗わなきゃ…というストレスから解放されました」。
家事のやり方を教わって、整理上手に
服の畳み方や整理法を教わってからは、苦手なクローゼットの片づけがスムーズに。「引き出しの中が整理されて、必要な服を見つけやすくなりました」。
収納アドバイスで探しモノ減
以前はアクセサリーをベッドに置きっ放しにしていたが、「動線に合わせ、玄関にトレーを置くというアドバイスに従ったら、きちんと戻す習慣がつきました」。
勉強の時間を確保しキャリアアップ
今まで家事に費やしてきた時間を、インプットの時間として使えるように。「仕事に生かせるビジネス書を読む時間を確保。有意義に過ごしています」。
(取材・文 工藤花衣、写真 小野さやか)
[日経ウーマン 2019年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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