バスケで全国制覇 「世界の山ちゃん」継ぐ妻の監督力エスワイフード 山本久美社長(下)

――具体的な今後のプランとは。

「これは会長も考えていたことですが、居酒屋以外の新業態にチャレンジしています。『世界の山ちゃん』は幻の手羽先が売りですから、何らかの理由で手羽先が入手できなくなれば、打撃を受けます。そんな時でも山ちゃんを支えられるブランドを作りたい」

「その第一歩が、名古屋市内に開いた『世界のやむちゃん』です。これは約40種類ある点心を1個から注文できる飲茶のお店です。『世界の山ちゃん』の客層は40代、50代の男性サラリーマンが中心。『世界のやむちゃん』はそれとかぶらないことを意識しました。1号店のお客さんは90%以上が女性です。インスタ映えするようなカラフルな升を使ったり、『たくさんの種類を少量ずつ食べたい』というお客さんの要望に応えたりした結果だと思います」

原点の居酒屋(名古屋市内の錦店外観)業態以外にヤムチャ、ラーメンなどにも業態が広がってきた

「加えて、岐阜県大垣市にある『世界の山ちゃん』では、この4月から初のランチ営業を始めました。それと、ラーメンチェーンと協力し、愛知県小牧市に、手羽先を食べたり、ビールを飲んだりしながら、最後のシメにラーメンを食べられるお店を作りました。『世界の山ちゃん』はロードサイド店がありませんから、そこではロードサイド店としての新しい可能性も模索しています」

――託児所付きの居酒屋もあるそうですが。

「名古屋市内に2店舗だけあります。私自身も経験がありますが、子育て中はストレスがたまります。ママ友で集まる『ママ会』に行っても、子供に食べさせるのに一生懸命で、お友だちとゆっくり話もできません。子育て中のお母さんが『ママ会』を開くのは本当にたまのことですから、予約が入ったら、専用の保育者を付けてお子さんを預かり、大人だけで飲食していただくサービスをしています」

「お子さん用に手作りのお弁当やベビーフードを持って来ていただいてもいいですし、うちのメニューを注文していただいてもいい。採算は取れないのですが、お母様方に楽しんでほしいという子育て応援の気持ちと、お子さんに『あの時、山ちゃんに行ったな』と思ってもらい、いずれリテーバー(手羽先のリピーター)になってもらえばいいかなという気持ちで取り組んでいます」

――マネジメントをするうえで参考にしていることはありますか。

「会社経営とスポーツマネジメントは似ているなと思います。小学校の教師をしていたころ、クラブチームの監督をし、3回、全国優勝させた経験があります。適材適所に人を置くとか、相手によってメンバーの組み方を変えるなど、スポーツマネジメントと組織運営には共通点を感じます」

「『世界の山ちゃん』の店舗は、スポーツでいう『チーム』だと思います。店長次第でチームは変わります。チームキャプテンに相当する店長を育てることによりチームがよくなるし、下も変わっていく。いいチームがたくさんあれば、会社もよくなると思います」

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