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デジタル・フラッシュ

アップルHomePod 音楽に特化、いい音どこでも 西田宗千佳のデジタル未来図

2019/8/29

アップルのHomePodは、Apple Musicの利用など同社のシナリオに身を委ねられるなら最高の製品だ

アップルがスマートスピーカー「HomePod」を、2019年8月23日に日本国内で発売した。米国を中心とした英語圏からは1年半遅れた市場投入になる。

もはや「スマートスピーカー」は珍しくない製品だ。数千円で買えるし、プレゼントなどのキャンペーンも多い。市場はアマゾンの「Alexa」とグーグルの「Googleアシスタント」搭載製品の一騎打ち状態である。日本だけでなく、世界的に見ても同じである。

アップルはそこに割って入る状態にない。だが一方で、他社とは違う価値を提供し、独自の立ち位置を見いだそうとしている。それは「音楽を楽しむことに特化し、iPhoneとApple Musicを組み合わせて使っている人にとって最高に便利になるように工夫したスピーカー」であることだ。

■自動チューニングで部屋のどこにおいてもいい音を体感

なにしろHomePodは高い。価格は3万2800円(税別)。価格で比較すれば他のスマートスピーカーとは勝負にならない。

だがHomePodは圧倒的に音質がいい。音を聞けば違いは「一聴瞭然」である。言葉で説明するならば「聴き疲れしないスッキリした音で、特に低音が響く」感じ、といえばいいのだろうか。

1台だけで使う場合は、BGM的に部屋全体に音が広がる。そういう聴き方をするにはとても向いている作りだ。HomePodはスマートスピーカーとしては破格に重い。なんと2.5kgもあるのだが、これは、音質の良いスピーカーを搭載して低音を維持するために必要な重量なのだ。

HomePodが普通のスピーカーと一線を画するのが、部屋のどこに置いても同じように良い音を実現する仕組みを持っていることだ。

スピーカーの音は設置する場所に左右されやすい。例えば壁の近くに置けば、音が壁に反射する。我々の耳にはスピーカーからの音と反射した音が混ざって聞こえるので、どうしても音が濁ってしまう。

HomePodは、スマートスピーカーが持っているマイクを利用することで、その問題を解決している。スピーカーから出した音をHomePod自身が聴き、周囲にどう反射しているかを把握して、音質の調整を自動的に行うのだ。このため、壁際に置いても部屋の中央に置いても、本棚のような場所に置いても、ほとんど音質に偏りが出ない。

この音質調整は完全に自動化されており、短時間で行われるため、ユーザーが意識する必要はない。どんなふうに音が変わるのかを楽しみたい……という気持ちもあるが、シンプルに使えることを狙った製品なので、調整していることすら隠蔽されているのだ。

HomePodは2台あるとステレオスピーカーとして働くのだが、この際の調整もほぼ自動だ。ステレオの場合、音の定位の問題があるので、最高の音質で聴くためにはどうしても方向と範囲の制約が生じるが、音場の調整も、複雑なことを考える必要はない。左右のスピーカーとして置けばいいだけだ。

2台のHomePodを連動させるとステレオで鳴らすこともできる

■iPhoneと連動する「とにかくシンプル」な設定

とにかく自動で、シンプルに。

これは、HomePod全体に貫かれているポリシーだ。音質チューニングの自動化はその典型例だが、使っていて最もわかりやすいのは初期設定である。

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