日本経済ってヤバイの? ビリギャルが伊藤元重に聞くビリギャルが専門家にツッコミ 経済学(前編)

「GDPは国内総生産の略。GDPは国の経済活動の規模を表す指標です。ニュースなどで景気が良くなったとか悪くなったというときには、GDPが成長したか縮小したかを見ています」

――最近は成長しているんですか。

「物価の動きも含めた名目GDPで比べてみましょう。2012年度は500兆円を下回っていたのですが、18年度は550兆円です。ここで、さきほど言った1000兆円を思い出してください」

――日本の借金の合計額ですよね。

「日本が1000兆円の借金をしているんだけれど、一方で、経済が成長していたら、どうなると思いますか?」

――なんとなく、日本がちょっとずつ強くなっていく感じがする。借金もちょっとずつ返すための体力をつけるために筋トレしてるイメージ?

「重い荷物を支える力が強くなっているから、少しずつ安定していくということになりますよね。これを表すのが、債務残高の対GDP比率という指標です。分母がGDP、分子が債務残高で計算します。18年度は200%でした。つまり、借金がGDPの2倍ってことです。これから、この数字は少しずつ下がっていくと予測されています」

――でもさすがに、1000兆円ってでかすぎてなかなか減らなそうだけど。

「一気に借金を減らすことはかなり難しいです。これをもし数年で減らそうと思ったら、消費税率を25%にするとか、医療、介護、年金に国が出しているお金をすべて無くすとか、それくらいの強烈なことをしないと返せません。でも、文明社会でそんなことできないですよね。そこで、GDPを少しずつ成長させて、借金はあるけどちゃんと支えている状態をつくろうとしているのが、今の日本です」

――なんとなくわかってきたんですけど、まだ気になる。財政破綻ってどういう状態をいうんですか。

「破綻っていうのは説明がすごく難しいんです。日本も過去に破綻したことがあるんですよ」

――え? いつですか。

「第2次世界大戦後の混乱期です。財政破綻というのは、その国の信用を失うようなことが立て続けに起きて、その国の国債が全然買われなくなるような状態のことをいいます。国債の金利をどんなに上げても買ってもらえなくなっちゃうわけです」

――そうなったら借金もできなくなる。

「さきほども言ったように、少しずつGDPを成長させながら、国債を買ってもらえないような事態にならないように気をつけて、債務残高のGDP比率をできるだけ下げていこうというのが、今行われている財政の政策なのです。そういう意味では、ここ6年くらいは、十分とは言えないけれど、少し良くなってきたなとみています」

――先生からそういうお話聞けるとホッとする。課題はあるけど、ちょっとずつ日本経済も回復してきてるってことなんですね。「日本経済ヤバそう」っていうイメージが少し変わりました。

「その通りですね。何事もまずは知ることが大事ですね」

伊藤元重さん
1951年生まれ。74年東京大学経済学部卒、79年米ロチェスター大学経済学博士号取得。専門は国際経済学。東京大学大学院教授を経て2016年から学習院大学国際社会科学部教授。東京大学名誉教授。2013年から6年間にわたり、経済財政諮問会議の議員をつとめたほか、税制調査会委員、復興推進委員会委員長なども歴任している。著書に「入門経済学」(日本評論社)、「ゼミナール国際経済入門」(日本経済新聞出版社)など多数。
小林さやかさん
1988年生まれ。「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」(坪田信貴著、KADOKAWA)の主人公であるビリギャル本人。中学時代は素行不良で何度も停学になり学校の校長に「人間のクズ」と呼ばれ、高2の夏には小学4年レベルの学力だった。塾講師・坪田信貴氏と出会って1年半で偏差値を40上げ、慶応義塾大学に現役で合格。現在は講演、学生や親向けのイベントやセミナーの企画運営などで活動中。2019年3月に初の著書「キラッキラの君になるために ビリギャル真実の物語」(マガジンハウス)を出版。4月からは聖心女子大学大学院で教育学を研究している。

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