AI起業家は2児の母 会社も働き方も率先して変えるUWC ISAKジャパン 小林りん代表理事(5)

ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンの小林りん代表理事
ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパンの小林りん代表理事

社会に変革を起こすリーダーを育てるには多様性に富む環境が必要――。全寮制国際高校、ユナイテッド・ワールド・カレッジ(UWC)ISAKジャパン(長野県軽井沢町)の小林りん代表理事は、こう説く。ダイバーシティー(多様性)推進を掲げる企業が増えるなか、小林氏が「多様性を生かす力で前進している」と注目するのが、人工知能(AI)開発を手がけるシナモン(東京・港)の社長兼最高経営責任者(CEO)で、2児の母でもある平野未来氏(35)だ。

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女性CEOに学ぶ 「多国籍」会社の推進力

シナモンは、契約書や請求書など様々な書式の書類を読み取り、必要な情報を抽出してデジタルデータにするAIを開発している。手書きの書類も処理でき、これまで人海戦術でこなしてきた読み取りや入力の労力が省けるため、保険会社や金融機関などで利用されている。また、会議やコールセンターでの音声のやり取りをリアルタイムで文字にする音声認識AIの開発も手がけている。AIを手がけて3年足らずながら、従業員およそ100人を抱えるまでに育った新興企業だ。

AI開発を手掛けるシナモンの平野未来・社長兼最高経営責任者。仕事と子育てに忙しい

平野氏はお茶の水女子大学と東京大学大学院で情報科学を学び、大学院時代の2006年に仲間とともにソフトウエア開発のIT(情報技術)企業を起こした。その後、会社をミクシィに売却。海外で挑戦したいとの思いから、12年にシンガポールで2度目の起業を果たした。ところが、開発した写真共有アプリの事業は3年たっても軌道に乗らず、16年には本社を日本に移しシナモンとして再出発することに。そこで人間の事務作業をAIに肩代わりさせるシステムの必要性と成長の可能性に気づき、事業を転換した。

日本では女性の起業家はまだ少ない。とりわけIT分野では珍しい存在だ。小林氏は、そんな平野氏の経営や働き方のスタイルについて「『多様性を生かす』のがキーワードになっている」とみる。

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