パンクバンドBiSH 激しくエモーショナル、両極光る

日経エンタテインメント!

ライブの演出案をみんなで

こうやって生まれた曲を「ライブで披露したい」と口をそろえる。本当の意味で、彼女たちが楽曲を表現できているのがライブなのだという。昨年1万7000人を動員した幕張メッセ公演を経て、4月からは全国14カ所でライブハウスツアーを開催。今後も夏フェス、そして9月には、首都圏以外では初のアリーナ公演となる大阪城ホールでのワンマンが控える。

(左上から時計回りに)セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、モモコグミカンパニー、リンリン、アユニ・D、アイナ・ジ・エンド。今年の夏は、「サマーソニック」などの音楽フェスに多数出演(写真:佐賀章広)

アイナ 私はライブで歌って初めて、歌詞が自分の体の中に入ってくる感覚があって。そこから自然と感情を込めて歌えるようになるんですよね。

リンリン 今作に入っている、爆音サウンドで死生観を歌う『FREEZE DRY THE PASTS』では、圧倒的な怖さを表現しようと、アイナが私を主役にして、初めて椅子を使った振りをライブ用に考えてくれました。

アイナ リンリン自体は椅子に座って全然動かないんです。ただ残りのメンバーは、それが気になってしょうがない。そんな“共依存”の関係性を表現できれば、曲の怖さがより増すかなって。

チッチ 今回のアルバムのように、いろんな曲が増えていくことで表現の幅が広がっていると感じています。それを持って、音楽フェスや対バン形式のライブに臨めるのは自信につながりますね。

アユニ あと最近ではライブのセットリストも考えるようになったり、演出案も昔はアイナちゃんが考えることが多かったけど、みんなが出すようになった。

モモコ 昨年の幕張公演は(客席の真ん中に設けられた)「360度ステージ」だったので、代表曲の『プロミスザスター』(17年)をどう見せるかでメンバーから様々な意見が出たんです。「大事な曲だから一面に集中して見せたほうがいい」「後ろ側にも見えるよう振り付けを変えたほうがいい」とか。最終的にはその案をミックスし、2番から逆向きで歌うことで、いいパフォーマンスになりました。

ハシヤスメ 先日のライブハウスツアーでは、曲振りで面白いことをやってみようと、いろんなことに挑戦したよね。サンドウィッチマンさんにプレゼントしてもらった、「野生の王国」というコントを、モモコと私がやってから曲を始めたりとか(笑)。

アユニ 私は昔に比べ、ライブがどんどん楽しくなってきています。昔はどこかやりきれていない感覚があったりしたんですけど(笑)。わざわざ来て下さるお客さんのために、生半可な気持ちじゃいけないなって。

アイナ 9月の大阪城ホール公演は、地元なので長年の夢だったんです。ただ、悔しい思いをした場所でもあるので、BiSHで晴らしたいと思います!

チッチ 私たちには、東京ドームという目標が昔からあります。それをかなえるため、今後も1つひとつのライブを大切に取り組んでいきたいです。

(ライター 中桐基善)

[日経エンタテインメント! 2019年8月号の記事を再構成]

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