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なやみのとびら、著名人が解決!

ファッション語れる友はどこに? 著述家、湯山玲子さん

NIKKEIプラス1

2019/8/22

著述家、プロデューサー。東京都生まれ。「女装する女」など著作多数。クラシック音楽のイベント「爆クラ!」を主宰。テレビのコメンテーターとしても活躍。

物心ついてからずっとファッションに興味があります。18年間の会社勤めを終えて専業主婦になった今、思いっきり語りたいのですが、同じ話題で盛り上がれる友人がいません。どういう集まりに行けば巡り合えるでしょうか。(愛知県・50代・女性)

ファッションについて語りたい!! 何だったら、私がお相手しますよ。と思わず筆を走らせたのは、それほど、ファッションについて語りたい、そして語れる人が少ないからなのです。

ファッション誌の読者モデルは、「今の気分でコレ買いました」的なコメントをよく発信しますが、その理由は本人も分かっていない。「なぜ、その服を買ったのか」については、気候や時代はもちろんのこと、その人の歴史、容姿、文化的影響、社会的な立場、美的教養などが無意識に混ざり合っている。それを分析して、言葉にするのは非常に知的で興味深いことなのですが、なぜだか、そこを良しとしない空気がある。

その空気とは「センス」です。実はセンスの正体というのは、「人と違っていながらイイネと受け入れられる」高度な差異のコミュニケーションで、習得可能な開かれた教養なのです。それなのに生まれつきの才能やらのファンタジーでけむに巻かれてしまって、つまるところ語らない方がカッコいいとされているのです。

さて、相談者氏は今までにどれだけファッション体験があったのかが少々気になります。ファッションとは、自らの肉体を通して世の中と関わり合うリアルな現場なので、まずは袖を通さなきゃダメ。

私は海外に出向いたとき、店に入り、店員が外国人である私に薦める服を面白がるところがあります。イタリアでは身体(からだ)のラインを見せるボディーコンシャスを薦められたし(太っていてもです)、ニューヨークでは肌や髪の色とのマッチングをよく言われました。日本とは全く違う彼らの物差しで選ばれた服を着てみると、あら不思議。そこには、予想外の自分の魅力が立ち現れることも多いのです。

なので、相談者氏には語るに値するファッション体験を多く重ねていって、雑誌やテレビ番組のファッションチェック、お決まりの「センスの良さ」などという基準に縛られない言葉を獲得していただきたいものです。

具体的には、SNS(交流サイト)でしょうね。ご自分のファッションへの考え方を地道に披露し、仲間を増やしていく。その中できっと、意見やセンスが合う人に出会える。それが相談者氏のいうところの「話せる仲間」です。

あなたの悩みをサイトにお寄せください。サイト「なやみのとびら」(https://www2.entryform.jp/tobira/)から投稿できます。

[NIKKEIプラス1 2019年8月17日付]

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