アメカジ回帰 80年代アウトドアカジュアルが新鮮原宿CASSIDYでアメカジを語る(上)

キャシディに昨年からエル・エル・ビーンが登場。「ちょっとクラシックなテイストなのがいいですよね」と八木沢さん。後ろの棚の右側がビーンブーツだ

石津「エル・エル・ビーンがまた人気なんだね。ヘビーデューティー系の元祖は相当古い。もとは雨や雪を避ける、機能着ですから」

――競技ではない、自分で楽しむアウトドアスポーツのアイテムが、日常着として普及していきました。

八木沢「合理性みたいなところに良さがありますね。アメリカの大学生が雪が多い環境ならば、ローファーではなくてビーンブーツを履く。名門校の学生風のプレッピーなスタイルだけどアウトドアのような、ヘビーデューティーな要素が合体して面白い。当時もそうした、ヘビーデューティーアイビーみたいなのがあったんですよね。こちらの写真集にも出ていますが、昔でいうヤッケを着ています。今のパーカー。今はゴアテックスのような優れた機能性素材がありますが当時はこれだって大変機能的。これ好きなんです」

石津「我々の時代の言葉で言えばアノラックだね。前が開いていなくて、かぶりで着る。ルーツは軍もの。こうしたベーシックでトラッドなものはやっぱり廃れない。ヘビーデューティー系はデザイン的にいえばカジュアルの原点といえますよね」

――エール大学、ダートマス大学、ブラウン大学のスエットもあります。

八木沢「アイビースポーツというアメリカの会社から仕入れています。3校だけ、定番みたいにやっています」

石津「アメリカではその学校の卒業生しか着ないよね」

八木沢「以前着ていたら、卒業生か、と聞かれたことがあって(笑)」

石津「日本では早稲田とか慶応とか書いてあっても卒業生じゃなきゃ着ないでしょう。でもアイビーリーグのロゴはいまだに人気があるんですよね」

(聞き手はMen's Fashion編集長 松本和佳)

石津祥介
服飾評論家。1935年岡山市生まれ。明治大学文学部中退、桑沢デザイン研究所卒。婦人画報社「メンズクラブ」編集部を経て、60年ヴァンヂャケット入社、主に企画・宣伝部と役員兼務。石津事務所代表として、アパレルブランディングや、衣・食・住に伴う企画ディレクション業務を行う。VAN創業者、石津謙介氏の長男。

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