ニュートンやザウルスから26年 挑戦続く電子メモ納富廉邦のステーショナリー進化形

手書き感覚で記録できる電子メモ。その歴史と最新製品をチェックする
手書き感覚で記録できる電子メモ。その歴史と最新製品をチェックする

キーボードではなくペンシルの形をした入力機器を使って、手書き感覚で文字を書きデジタルに保存する「電子メモ」。こういった製品は20世紀末にはすでに製品化され、今も新しい製品が登場している。文具を見続けてきた納富廉邦氏が、電子メモの歴史と最前線を解説する。

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手書きメモをデジタル化するツールが一般的に使われ始めたのは、たぶんPDAブームが始まる頃、1993年発売のシャープ「ザウルス」のPIシリーズとAppleの「NEWTON(ニュートン)」だろう。そして、1996年にPalm社の「Palm Pilot」が発売され、電子手帳、PDAと言えば手書き入力が当たり前になる。

ただ、これらは手書きのメモをデジタルで記録するツールというより、入力をキーボードではなく手書きで行うという小さなコンピューターだった。確かにさっとメモを取るのに便利だったものの、まだインターネットが普及し始めた頃の製品であり、パソコンなどとのデータの互換性やデータの受け渡しが面倒で、そのハードウエアの中で完結する使い方に留まってしまう。そんな欠点を持っていた。

手書きメモをデジタルで記録する文具に関して注目すべき製品が登場し始めたのは21世紀に入ってからだ。

21世紀初めに登場した2つの方式

2004年ごろに、今後の電子メモはこのどちらかになるのでは、と思われる2つの方式の製品が登場する。

一つは、ぺんてるの「airpen」だ。ノートや紙の上部にセンサーを取り付けて、専用ペンで書けば、書いた軌跡をデータで保存。パソコンなどに画像データとして書き出せるというもの。この方式は何より好きなノートや紙が使えるというのがポイントだった。

ぺんてるの「airpen」シリーズは、最終的にセンサーが小型化し、スマートフォンにBluetoothで接続できるようになり、使い勝手はかなり向上した。文房具にかなり近づいたソリューションだったと思う

もう一つは「アノト式」と呼ばれるタイプ。カメラを内蔵したペンを使い、細かいドットが印刷されたノートの上に文字や絵を書く。ペンが座標データを取得し、それを画像データとしてパソコンなどで利用できるようにする。専用ペンと専用ノートが必要になるが、ペンのスイッチを入れるだけで、特にセッティングせずに書けること、機能を増やせることなどの優位点があった。当時は、フランスのクレールフォンテーヌが専用ノートを提供していた。

アノト式の製品の一つ、Livescribe社の「Livescribe wifiスマートペン」シリーズは、音声の録音とメモを同期する機能など、できることが多く、実用性も高い。ペンもノートも専用のものが必要という点でやや導入のハードルは高いが、仕事で使える製品だ