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ヒットを狙え

就活スーツはレンタルで 丸井が月額制シェアサービス

日経クロストレンド

2019/8/28

丸井グループが始めた「COCONi」。月額4320円(税込み)で就職活動に必要なスーツとバッグを借りられる(写真提供:丸井グループ)
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丸井グループが、就職活動用のスーツとバッグの月額制レンタルシェアサービス「COCONi」を2019年5月に開始した。実証実験として始め、本サービスとしての運用を目指すという。月額4320円(税込み)でスーツの上下とバッグの計3点をレンタルできる。主なターゲットは就活生で、同サービスの公式サイトからスーツのサイズと到着希望日を選択すれば、自宅に配送される。使用後は、届いた箱にスーツとバッグを入れ、同梱の着払い配送伝票で返送。COCONiが契約する専門業者でクリーニング、修繕などのメンテナンスを行い、再利用する仕組みだ。

■若手社員が発した就活スーツへの不満がきっかけに

COCONiを担当する丸井グループ新規事業プロジェクト・サステナブル・ビジネスプロジェクト担当リーダーの福田藍氏によると、このサービスを思いついたきっかけは若手社員へのヒアリングだったという。

「一昔前はモノを所有することに価値があったが、今は『使いたいときに利用できればよい』という価値観が強まっている。今の若者にとって、それはファッションにも当てはまると感じる」(福田氏)。「所有」から「利用」に価値観が変化したことを受け、若い世代の消費トレンドに合わせて、新規事業開発を模索していた中で注目したのが、「就活用のスーツ」だった。

COCONiで貸し出す就活スーツとバッグ(写真提供:丸井グループ)

「若い世代が無駄に感じるものとして挙がった。靴は社会人になってからも使う。シャツやストッキングのように直接肌に触れるものは自分用を購入したいという一方で『就活スーツとバッグは無駄』という意見が多かった」(福田氏)という。

そこで、入社1~3年目の若手社員による13人のコアチームを社内公募で結成。就活スーツのレンタルシェアサービスの開発に取り掛かった。

S~3Lまでサイズをそろえる。体形に合ったスーツが選べるように、上下異なるサイズを選ぶこともできる(写真:COCONiのサービスページから)

■就活生が抱える、スーツの汚れへの恐怖

サービス開発の過程で重視したのは、就活生のリアルな意見だ。まず、就職活動を終えたばかりの男女にアンケート調査を行い、就活スーツの活用状況を調べた。例えば、着用期間は、1カ月以内の人もいれば、3カ月以上続く人もいて幅が広いが、そのうち着用した日数は平均で55日だった。また、1カ月に1、2回は洗濯をしていることなどが分かった。

18年に丸井グループの夏季インターンシップに参加した204人とは、同サービスをテーマとしたワークショップを実施。そのうち23人からモニターとしての協力を得た。就活スーツとバッグを実際に貸し出して、使用感や摩耗の程度、スーツの着用回数、洗濯の回数などについて調査したり座談会を開いたりしたという。

その結果も踏まえ、COCONiで貸すスーツでは、自宅で洗えることを重視している。「就活では、清潔感やキチンと感が大切。一方、『明日面接に来てほしい』と企業から急に呼び出されるケースもある。うかうかクリーニングに出せない。常に手元に置けることが利点になる」(福田氏)。

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