出世ナビ

いきいき職場のつくり方

ご注意!朝の熱中症 通勤時に目まい、対策は朝食から 産業医・精神科専門医 植田尚樹氏

2019/8/10

自律神経は自分の意思でコントロールできない神経で、緊張時や興奮時に活動が活発になる交感神経と、リラックス時に活発になる副交感神経の2つがあります。

緊張感や不安感が高まると、心臓の鼓動が早くなります。これは交感神経の働きが高進しているためで、鼓動が早くなりすぎないように調整するブレーキ役となるのが副交感神経です。交感神経と副交感神経がうまくバランスをとる仕組みとなっているのです。

自律神経は日中、行動をアクティブにさせるように交感神経が、夜は気分をリラックスさせるために副交感神経がメインとなるリズムで機能しています。交感神経と副交感神経のバランスやリズムが乱れてしまうと、突然の動悸(どうき)、息苦しさ、めまい、立ちくらみ、頭痛、腹痛、下痢など様々な症状を起こします。これが自律神経失調状態です(いわゆる「自律神経失調症」は正式な病名ではありません)。

自律神経を動かすエネルギーが足りず、うまくバランスが調節できていないと夏バテになってしまうのです。このため、エネルギー充填に欠かせないビタミンB1やクエン酸を多く含む食材を中心に、バランスよく食品を摂取することが大切です。

ビタミンB1は体内の糖を燃焼させてエネルギーに変換するのに欠かせない栄養素。豚肉、うなぎ、ニラ、ゴマ、枝豆、玄米などに豊富に含まれます。クエン酸は体内でのエネルギー生成を助ける働きをしています。酢、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、梅干しなどのすっぱい成分がクエン酸です。

■水分補給と十分な睡眠を

暑い夏は汗をかき、身体の水分が失われるため水分補給は重要です。ただ、冷たい飲み物をとりすぎると胃腸が冷え、消化不良の原因となります。冷たすぎない水、できればミネラルを補給できるミネラルウオーターをこまめにとるようにしましょう。ちなみにアルコールには利尿作用があるので、水分補給になりません。むしろ脱水症状を促進することもあるのでご注意ください。

オフィスや事業所などでは、社員が熱中症になった場合に備えて、水に塩分などの電解質と糖をバランスよく配合した「経口補水液」などを準備しておくとよいでしょう。

熱中症も夏バテも、自律神経のバランスを崩さず整えることが大切です。そのためには十分な睡眠をとること、きちんと1日3食とることを心がけてください。屋内外の温度差が大きすぎると体の負担となるので、エアコンの温度設定を適切に管理することも大切です。ちなみに、労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」は「事業主は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない」と定めています。

なんとなく体調が優れないようであれば、仕事を早めに切り上げて帰宅するのもいいでしょう。昼休みに仮眠をとることも、リフレッシュするのにお勧めです。

植田尚樹
1989年日本大学医学部卒、同精神科入局。96年同大大学院にて博士号取得(精神医学)。2001年茗荷谷駅前医院開業。06年駿河台日大病院・日大医学部精神科兼任講師。11年お茶の水女子大学非常勤講師。12年植田産業医労働衛生コンサルタント事務所開設。15年みんなの健康管理室合同会社代表社員。精神保健指定医。精神科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。

「いきいき職場のつくり方」記事一覧

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


人事・労務・法務の基礎知識を身につける講座/日経ビジネススクール

働き方改革推進への対応から人材開発、社会保険の仕組みまで

>> 講座一覧はこちら

出世ナビ 新着記事

ALL CHANNEL