働き手が辞めてしまう「3つの理由」

そもそも「プロジェクトOxygen」は、「従業員が会社を辞めるのには3つの理由がある」という基本認識に基づいてスタートしたそうです。

1)会社のミッションと自分の仕事との関連性が見えない。自分の仕事が大事だと感じられない。

2)職場の人間を好きになれない、尊敬できない。

3)上司がひどい。

中でも3)が最も重大な変数だといいます。グーグルをして、どこかのイケていない企業、やる気の感じられない組織のような姿が垣間見えるのがまた、何とも興味深いところです。

最高のリーダーとは「よいコーチであれ」「部下に権限を委譲せよ。マイクロマネジメントはするな」「部下の成功と幸せに関心を持て」というようなことだと、「8つの習慣」は指し示しているようにみえます。最先端のテック企業が明らかにした理想のリーダースタイルは、昭和からいわれてきた日本企業のそれと酷似しているのです。

そもそも良きマネジャー、リーダーとは、部下に「主体性」「やりがいとテーマ」「成長実感」を持たせ、それを支援する人です。最高のマネジャーに関するグーグルの最終解もまた、このことを8つの習慣として表現しています。これは腑(ふ)に落ちますね。

HR(Human Resources)に関するグーグルの研究成果のもう一つは「チームを成功に導く鍵は何か」に関する研究です。

グーグルは12年に、生産性の高いチームが持つ共通点を見つけるための調査を開始。「プロジェクトAristotle(アリストテレス)」と名付けられたこの調査に、約4年の歳月(プラス数百万ドルともいわれる予算)を費やした結果、「チームを成功へと導く5つの鍵」を明らかにし、15年に発表しました。

■チームを成功へと導く5つの鍵(by プロジェクトAristotle)
1)心理的安全性(Psychological safety)
不安や恥ずかしさを感じることなくリスクある行動を取ることができる
2)信頼性(Dependability)
限りある時間を有効に使うため、互いに信頼して仕事を任せ合うことができるか
3)構造と明瞭さ(Structure & clarity)
チーム目標や役割分担、実行計画は明瞭であるか
4)仕事の意味(Meaning of work)
メンバー一人ひとりが自分に与えられた役割に対して意味を見出すことができるか
5)仕事のインパクト(Impact of work)
自分の仕事が組織内や社会全体に対して影響力を持っていると感じられるか
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