河童・鬼・てんぐ… 怪しくも楽しい妖怪の町10選

■9位 京都府福知山市 240ポイント
鬼 国内外の面580点 一堂に

「酒呑童子(しゅてんどうじ)は鬼の代表格。まっすぐさが心を打つ」(千葉さん)。大江山を根城にした盗賊、酒呑童子は京に行っては姫や財宝を奪い、夜ごと酒宴にふけったが源頼光らによって討ち取られた。この地にはほかにも2つの鬼の伝説がある。

日本の鬼の交流博物館は「鬼について知るなら一番」(小松さん)。国内外の鬼の面580点を展示。大江山には鬼の洞窟、博物館近くには鬼の足跡がある。

(1)北近畿タンゴ鉄道大江駅からタクシーで約15分(2)https://www.city.fukuchiyama.lg.jp/onihaku/(日本の鬼の交流博物館)

■10位 島根県松江市 230ポイント
化けガメ 巨大な石像、怪談ツアーも

月照寺に2メートルの高さに首をもたげたカメの石像がある。江戸時代、夜な夜な人を食らったため、時の住職が背中に石碑をたてて封じ込めた。城の北側に小泉八雲記念館があり、化けガメは小泉の随筆にも登場する。観光協会が怪談スポットを歩くツアーを開催し、「怪談を文化資源として効果的に活用している」(市川寛也さん)。

(1)月照寺、小泉八雲記念館はJR松江駅から松江レイクラインバス利用(2)https://www.kankou-matsue.jp/(松江観光協会)

妖怪は地域の宝 敬意を払い訪問

荒れた田んぼで突如「田を返せ!」と泥田坊(どろたぼう)が叫ぶ、空き家から障子に無数の目がある目目連(もくもくれん)がのぞいている……考えるだけでわくわくする。妖怪とは何か? 妖怪研究家の湯本豪一さんは「心の不安、自然に対する畏怖、闇の中でうごめく気配などから何かを見いだしてビジュアル化したもの」という。

今の日本人が思い浮かべる妖怪は、水木しげるのマンガ「ゲゲゲの鬼太郎」だろう。水木は江戸時代に鳥山石燕(とりやませきえん)が著した「画図百鬼夜行」などを基にしただけでなく、独自のキャラクターを作り出し、世代を超えて引きつけるマンガを描いた。

その愛蔵版第5巻「カニ妖怪」の回で、子泣きじじいが「世界一妖怪の多い日本」と言っている。実際、各地に妖怪の逸話がある。その地の妖怪を学んでから訪ねると、楽しくなること請け合いだ。妖怪は地域の宝。寺社や地域にとっては信仰の対象としていることがある。敬意を払い、会いに行こう。

◇ ◇ ◇

ランキングの見方 数字は選者の評価を集計した点数。地域は市区町村とし、主な妖怪を記した。(1)主なスポットへの交通手段(2)情報サイト。写真は1~5、8、10位は三浦秀行撮影。6位琉球村、7位大将軍商店街、9位は日本の鬼の交流博物館の提供。イラストは画図百鬼夜行(鳥山石燕)や稲生物怪録絵巻を参考に茂木麻美。

調査の方法 専門家の協力で妖怪の伝承がある地域を中心に28カ所をリストアップ。「本当に妖怪がいそうな雰囲気がある」「地元に伝わる妖怪を知ることができる」「親子で遊びに行きたい」町を1位から10位まで順位を付けてもらい、編集部で集計した。(三浦秀行)

今週の専門家 ▽朝里樹(「日本現代怪異事典」著者)▽市川寛也(群馬大准教授)▽香川雅信(兵庫県立歴史博物館学芸課長)▽小松和彦(国際日本文化研究センター所長)▽多田克己(妖怪研究家)▽千葉幹夫(妖怪研究家)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽似田貝大介(「怪と幽」編集長)▽前川さおり(遠野文化研究センター学芸員)▽松村薫子(阪大准教授)▽宮本幸枝(妖怪愛好ライター)▽村上健司(ライター)=敬称略、五十音順

[NIKKEIプラス1 2019年8月3日付]

NIKKEIプラス1「何でもランキング」のこれまでの記事は、こちらからご覧下さい。

注目記事