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引く手あまたのデータサイエンティスト 学生は及び腰?

2019/8/9

「『スーパーマン』とは、この3つのスキルを全部完璧に持っている人ですが、いま活躍しているデータサイエンティストの中にもそんなスーパーマンはほとんどいません。各企業では、3つのスキルのどこかに強みのある人が集まって、実際はコラボレーションしながら仕事を進めているのです」(同)

■理系知識より論理的思考力を持っているかどうか

気になる専門知識について、DMM.com(東京・港)のCTO室データサイエンティストの丸尾大貴さん(取材時はLINE Data Labs のデータサイエンティスト)は「特にデータサイエンスを学んでいなくても大丈夫。微分積分や行列に関しては、大学受験レベルの知識があれば十分」と指摘する。

「一番重要なのは、人間に興味があること。大学時代の専攻分野は何でもいいので、真面目に勉強して、論理的な思考が身についている人が欲しいです。それと、例えばラーメン屋を開くのにどういう価格設定で何人くらいくればもうかるかといった数理的な推論が好きで得意な人が向いていると思います」

ただ、丸尾さんによれば、個々の企業によって、データの集積や活用のレベルにはかなりの差があるため、求める人材要件も一律ではないという。

それに加えて、前出の宮腰さんは業種によっても求める人材の傾向は異なると指摘する。例えば広告業界では、社会工学や統計を使った心理学などをビジネスに応用する力を、ソーシャルゲームやSNS(交流サイト)、ポータルサイト運営などいわゆる「ウェブ系」の企業はエンジニア力やプログラミング力を重視する傾向が強いといった具合だ。

しかしそうした情報は、学生側にはなかなかわかりづらいもの。今まさにデータサイエンティスト協会では、各企業がどういう志向性のどのレベルの学生を求めているのか調査を行っている最中だという。「今年10月には第1弾の結果を発表する方向で準備を進めています」(宮腰さん)

ビジネスの世界では、あらゆる業種でデータを使って生産性や収益性を上げていくデータドリブン化が進んでいく。政府も、文系か理系かを問わず国立大学の全学部でデータサイエンスや数理の教育を課す方針を打ち出している。就活に関しても、学生・企業双方で「データサイエンティスト=理系のスーパーマン限定の仕事」という先入観を捨てる意識改革が必要だ。

(ライター 石臥薫子)

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